→矢崎藍の連句わーるどtopへ
とよた市民キャンパス連句まつり03

豊田市民総合文化祭・桜花学園大学生涯学習研究センター特別行事第二回「全国学校付け句コンクール」

とよたキャンパス連句まつり'04
「付けてみませんか」
募吟発表!

   会場   桜花学園大学食堂東棟
    時     10月30日(土)11時ー15時    10月31日(日)11時ー15時
   主催 桜花学園大学・同生涯学習研究センター ・豊田市・豊田市教育委員会・豊田市文化振興財団
   後援 
中日新聞社・連句協会・愛知県・愛知県教育委員会
  


 第五回の「とよたキャンパス連句まつり」が桜花学園大学の大学祭(秋桜祭)で開かれました。今年も中日新聞コラム「付けてみませんか」と連動し一般の部の発表のほか、高校等対象の「第二回学校付け句コンクール」の発表も行われました。会場では、俳諧師宮下太郎氏捌きの連句の座、学生付け句、しりとり連句などまたまた大盛況でしたよ。

■付け句発表(中日新聞・東京新聞コラム 付けてみませんか特別募吟
   前句   (君が好きだと気づく瞬間    奏)


すてきな句の作者は学生時代から中日新聞に付け句を投稿、いまは社会人の草笛奏さんです。


学校付け句募集パンフレット→PDF←クリック

9月2日しめきりまでに一般部門2000余句、学校部門7000余句(年齢は4歳から90歳代まで)合計9000余句のご応募ありがとうございました
学校付け句コンクールは入選句を、一般付け句は、新聞発表のほか応募全員一句のみ700余句を短冊に書いて掲示しました。学校付け句の入選の方も一般の方も見に来てくださって楽しかったですよー!

付けてみませんか2004君が好きだと気づく瞬間学校付け句全入選句   ←クリック


そして各コーナーではいつものように、どの机も、連句遊び。地域と、学生と、全国の付け句、連句仲間と。留学生も日本語で付けてますよー!

■俳諧師がやってきた!宮下太郎先生捌きで本格歌仙
コーナー
■東京から連句協会常任理事の俳諧師宮下太郎氏を迎え、太郎捌きで歌仙1巻、星韻1巻が巻かれました。
 連句経験者、新人、学生もまじり質問も出て熱心な勉強になりました。

歌仙 「豊の秋」      太郎捌


ひよどりのしきりに鳴くや豊の秋      宮下 太郎
  白いコスモス揺れるキャンパス     矢崎  藍
十三夜将来の夢語るらん        小野 芳梅
  百万長者か野球選手か       伊藤 良重
そよ風に瞳輝く鯉のぼり          田中イスズ
  高く響ける草笛の音          草笛  奏

湖べりのナウマン象は覚醒し       佐藤ふさ子
  男と女誘い誘われ           青島ゆみを
またとなき香を袂にたきしめて       佐藤ふさ子
  遠く眺める山の噴煙          斉藤 基生
朝晩に拝む姿を孫が真似             良重
  新年淑気家中に満ち         宇井美和子
水補給越の地震の月寒く            イスズ
  放たれし牛哀れなりけり            ゆみ
英雄の名に身を投ずマタドール           奏
  春まだ浅きギター激しく           美和
宗廟に千古の影を花万朶             ゆみ
  双つ蝶々飛び越える垣         加藤 直子
ナオ
土筆摘む指先黒く色づきて             直子
  長患いの癒えし喜び           黒木美代子
大海の波の向こうに島のあり             基生
  故郷の歌唄う防人               奏
桃の実に豊かな胸の妻浮かび          美代子
  浴衣乱れる風のいたずら            イスズ
五番街モンローウオークあちこちに    武藤美恵子
  何時のまにやら株価安定       間瀬 芙美
新札の顔はおなじみ文学者            々
  たけくらべとて灯火親しむ           基生
おにぎりを腰に出かける有明に         太郎
  城の石垣萩のこぼるる         稲垣 渥子
ナウ
国替えの別れを惜しむ濁り酒          渥子
  何時いつまでも思い伝えん         イスズ
ご贔屓の暖簾の味は変わらずに         直子
  白魚汲める隅田川なり          イスズ
花びらは旅の窓辺に舞い込んで          奏
  峠越え行く子等のあたたか     佐久間和宏

 平成十六年十月三十日首尾   
 於;桜花学園大学ホール

星韻「泡立草」      太郎捌

泡立草キリンの首に似たるかな    宮下 太郎
  やや傾きて上る夕月        長坂 節子
運動会家族揃って賑やかに      黒木美代子
  転ぶ姿もデジカメに入れ          まるこ
叩く度だるま落しの次々と       塚本 益美
  ひと雨ごとに竹の皮脱ぐ       近藤とみ子

禅林を自由自在に揚羽蝶           節子
  自己責任かイラクへの旅         とみ子
初恋を鞄に詰めてハネムーン          益美
  凍ってしまった胸を溶かして     由川 慶子
冬の星眠れる街を照らしつつ          すじ
  黒猫の眼は闇に輝く         間瀬 芙美
僕だけの国を探して花に逢わん     草笛  奏
  昼あたたかにカラオケの人        節子

野遊びの朱鷺色の空暮れなずみ    森岡  滋
  袖振る君に心残して            節子
防人は妻を置き去り肥の国へ    小野 芳梅
  烏賊釣り舟か不知火の海          滋
空蝉の数段々と増えてゆき         益美
  胡瓜が踊るダンボール箱         すじ
月仰ぐ転職先もほぼ決まり          慶子
  不定愁訴の濁り酒なる          節子

日々に山の装い下り来て          とみ子
  三寸の蛇鵙の早贄              滋
地の震えわが列島を目覚めさせ       節子
   蜂が生まれて回す歯車          奏
花万朶無位無冠にて退官し         慶子
  蝌蚪を掬える故郷の川        美代子

 平成十六年十月三十一日首尾
 於:桜花学園大学ホール





■尻取り連句コーナー
恒例いつも人気の尻取り連句の座ですです。
なにしろ学生だけでなく全く新入りさんもとびいりで、プロにおしえてもらいながら遊べますからねえ。ちなみに机の上には筆記用具。季寄せなど資料だけでなく、学園祭のテント売りのご馳走だらけ。韓国のちぢみ、中国の水餃子、南国の揚げ菓子に、三河名物馬糞饅頭ももちろん。

 尻取り「 秋 桜 祭 」の巻   捌  柿本時代

1 秋桜祭みんなにこにこよっといで        慶子
2  出店に匂う栗も焼けごろ           渥子
3 ごろつきが一念発起叩き売り         美恵子
4  リップサービス妻にゃしないよ        時代
5  夜が来てセクシーポーズちらつかす     美代子
6  かすかに聞こえる終電のベル         敏女
7 ベルリンに旅の計画冬の雲          イスズ
8  曇りガラスにおでこおしつけ        美和子
9 躾には親の姿をみせておく          美代子
10  送れ送れとせびるではない          時代
11 田舎者こころに秘めた決意あり        美代子 
12  ありんこひとつ踏めぬ優しさ         聖子
13 柵をこえ蔦がからまる駐車場         美代子
14  後姿で待つ君がいて              紅
15 適齢期とうに過ぎてもあなただけ        文子
16  今朝の口紅すこし派手めに          渥子
17 忍だけの人生のよう秋淋し          美代子
18  しびにドロンと釣瓶落として          彦
19 都市庭園にせの森あり林あり           智
20  利休がいれば苦笑いする           敏女
21 するすると袱紗ではこぶ命乞い          彦
22  来いといってよすぐに行くから         藍
23 から騒ぎシェイクスピアてなんですか   キャッツ藍
24  牡蠣鍋かこみキャッツOG       キャッツ藍
25 じっとみてめぎつね先生仲間入り     キャッツ藍
26  立件済みの書類山積み            芙美
27 未来などいらない今を生きるだけ        聖子
28  ケッセラセラと笑顔美人で          芳梅


 

しりとり捌きはときよ・聖子



29 デンジャラスするどくとがる芋ケンピ   キャッツ藍 
30 ピンカートンはお船に乗って          節子
31 天麩羅の時計2時間遅れてる          和宏
32  ルーズな彼にちょうどぴったり         奏
33 リストラもなんにもないよ今の職        芳梅
34  食の連鎖は人の連鎖に            節子
35 煮物なら任せておいて母さんに         芙美
36  にっくきあいつ今日は打ち取る        慶子
37 トルコブルー指輪きらりと光らせて       渥子
38  天使のような君をこの手に          芳梅
39 新潟の岩間に耐えていた命           聖子
40  ちよちよと鳴く朝の小鳥よ          カコ
41 世の中は広い愉しい美しい           時代
42  一度起きてもまた二度寝です         里佳 
43 鈴を持つ子供の成長日々感動          彩葉
44  動物園のゆれるシーソー           芳梅
45 騒音の訴訟問題空まわり            時代
46  割りに合わないサプリメントよ        渥子 
47 よくできた新米みつつダイエット         絵
48  戸口の先にのぞく渋柿            カコ
49 書きあぐねここにどれだけいるだろう      真由
50  嘘ばっかりでわたる人生           慶子
51 清少納言などといわれてオフィス美女       藍
52  助監督との燃え上がる恋          美代子
53 行かないで地の果てまでも連れてって      聖子
54  テラスに置いた白い籐椅子         美代子
55 すっぽりと記憶の抜けた幼年期         聖子
56  軌道修正どこでしようか           時代
57 かちがらす海岸線に波が立ち           藍
58  近くの店で乾杯の声            まるこ   


学生出題句への付け句コーナー
4年ゼミはインターネットで学生BBS付け句を主宰しています。この祭りでも前句を出題しました。お客さんが多数きて楽しんでいただき、子どもさんもおかあさんと参加。各数十句ありますが、ここは一部掲載でお許しを。会場のプロジェクターで、二つのスクリーンに映されたインターネット画面にも各地から付け句が入り、短冊が増えました。

            侑希ちゃん次々名作を貼る!

●昔も今も宝物だよ   彩火(4年)
 (五七五句を付けて下さいー)
この胸に残る光は月海の           すけあくろう
ガンダムや手垢のついたおもちゃたち     美恵子
ぷっくりと手首くびれている写真       Ai
思い出は美しいまま永遠に          樹
君からの壊れた時計サビれても        佳代
その思いなくすつもりは決してない      まるこ
初恋の人が触ったチビ鉛筆          彩火
さみしくてひろった小石なげられず      侑希
初任給家族旅行をプレゼント         ツムジ
残るのは共に過ごした写真だけ        小泉
学祭に集う仲間と秋景色           成富屋
君のこと口ではとても言えぬけど       奏
●昔も今も宝物だよ   彩火(4年)

●ひっそりと深夜の街を徘徊中    嵯都美(4年)
 (七七句を付けて下さいー)

真っ赤なトマトを吸血鬼さんに        侑希
とても優しいオオカミに逢い         Ai
ネオンが誘う泡沫の夢            彩火
遠くに響くパトカーの音           ツムジ
ずしりと思い吾子を背中に          真生・佳代
久しぶりだねいついらいかな         まるこ
怒りの妻に追われ逃げだし          小泉
逢えないはずの君を求めて          奏

●ゆるゆるとマイペースをつらぬこう    まるこ
 (七七句を付けてくださーい)

ピリピリするな朝寝坊さん          京
午前三時のしめきり原稿           Ai
きらくに行こうわり算ひっ算         侑希
すこしずつでもやれることから        颯
今日も明日もバカップルだね         すじ
追いつめられても平気だ平気         美恵子
無理はしません2回目の恋          奏
10分経過のびるラーメン          小泉
あてもないままずんずん歩け         なしこ
真剣に言う不良少年             嵯都美
外の景色はネオンの光            ツムジ
時の流れにさからいながら          六花
欲しけりゃ買うさ!Let'sビンボー!!      彩火


ママは卒業生
活躍三姉妹
フレー!


●あなたと過ごすこの暮れの秋  すじ(3年)
 (五七五句を付けて下さいー)
十年の時がすぎればおかあさん 広君のママ
風吹けば未来に向かって飛び立とう!嵯都美
大勢で過ごした夏にさようなら   ツムジ
数式をいつになったら覚えるの?   小泉
せつなさはどこまで行っても変わらない まるこ
意外と美味だねフランクフルトとマヨネーズ 
                     広君のママ
食べ歩き大阪なのよっ!あたりまえ  まるこ


●秋の蝶あなたのように飛べたなら    すじ(4年)
 (七七句を付けてくださーい)

ブローチになって胸のあたりに         美恵子
この海をこえユートピア楽園までと    すけあくろう
想いの花は散らさずに待つ           彩火
このまますぐに逢いに行くのに         ゆりな
迷わないのに君までの空            奏
わりばしさして雲を食べたい          侑希
出遅れた僕就職ピンチ!!           京
治める国をこの目で見たい           小泉
足どり軽く家路を急ぐ             ツムジ
忘れもしない十七のKISS           A
LIVEの余韻TERUの投げキッス  TERU LOVE
まよわず夢をつかまえてやる          志吹
そばに行きたい声を聞きたい          まるこ
風にふかれてあちらこちらと          六花

●夢の世界に浸っていたい     小泉(4年)

 (五七五句を付けて下さいー)
目が覚めてタイムリミット5分前        ツムジ
もう一句お願いだから謌わせて         佳代
南東風GLAYのダンスむずかしい TERU LOVE
頼むからあと5分だけ寝かせてよ        高子
目覚めれば寂しさ増すと知ってても…      奏
もう少しお菓子の国のまんぷくかん       侑希
もどらねばならぬ現実後まわし         六花
会議室呼び出しくらい説教さ          嵯都美
「口開けて」痺れを切らす歯医者さん      小泉
午後3時"ただいま"の声ドアの音       佳代
桃食べてぶどうも食べて栗食べて    真生・佳代
耳もとでささやき声をきかせてね        まるこ
先生が卒論だけは書けという          Ai
激連打コンボを決めろ諸葛亮          彩火

     
         誰の赤ちゃん?連句の未来は明るい


■酒恋連句コーナー
これも恒例。座ってしまったらぬけられない愉快な連句コーナー。全部の句がお酒か恋の句。節子捌きの宴へどうぞ。

半歌仙「コスモス」の巻(その1) 捌 長坂節子

コスモスの色濃き恋に落ちにけり      藍
 つづれさせ鳴く部屋の片隅         節子
俳諧師月と一献かわすらむ         慶子
 池の面に探す面影             渥子
紅のワインのタグに名前入れ        芙美
 紫陽花心の君に乾杯            彩火
口びるを許さぬ人のレモネード        節子
 散った想いは苦い思い出         ツムジ
限界を越えて呷った缶チューハイ     ツムジ
 うるんだ瞳に勘違いする          彩火
愛人と一夜を過ごす補佐官殿      嵯都美
 甘いカクテル知らぬ間に酔う       彩火
凍て月に仮面をそっと脱ぐ男        節子
 後れ毛はらい首すじに牙         彩火
映画館意識は重ねた左の手        彩火
 二人の出会い告げる鶯        嵯都美
手をつなぎ共に駆け行く花の下      小泉
  海の向こうに見る蜃気楼      嵯都美

 平成16年10月30日 首尾   於 桜花学園大学


      四年ゼミ「勝手に」?半歌仙ですと。見せて見せて!

     
      昨年卒業ゼミ・キャッツ藍勢揃い!社会人の笑顔。
半歌仙「コスモス」の巻(その2) 捌 長坂節子

コスモスの色濃き恋におちにけり    藍
 チヂミさかなに新走呑む       節子
雨上がり月の光に紅さして       京
 傘をおろして寄り添う二人       京
お似合いとひやかされては否定する 彩火
 ビールの匂いでもう真っ赤です 嵯都美
蟻地獄怒りの妻に追われてる    小泉
 ドツボにはまりもがき苦しむ    ツムジ
雲割れて降臨された観音様     彩火
自惚れ鏡に写る自画像         京
ただ強く抱きしめていてほしいだけ 美代子
 酔った勢いなんて言わずに     まるこ
月読に凍てを溶かして発泡酒     彩火
 風邪ひき男いたわられてる      節子
愛情は俺の元気の素なのさ      彩火
 苦い手料理薬より効く       嵯都美
花吹雪祝いの道を並びゆく      ツムジ
 牛の長鳴きのどらかに聞く      節子

 平成16年10月30日 首尾   於 桜花学園大学

ゼミ生勝手に半歌仙 「四季」の巻  捌 彩火

雨上がり学生最後の秋桜祭    彩火
 昔にひたる満月の夜       まるこ
銀杏を好んで拾うマリア様     ツムジ
 口元かぶれ急ぎ皮膚科へ     小泉
夏の夕廃墟の前で立ち尽くす   嵯都美
 涙は乾き白鷺が飛ぶ        すじ
先目指し異国の土地を後にして 嵯都美
 幼なじみは気になる人に     彩火
手をつなぎ一緒に歩く夢を見た  まるこ
 生活改善転職希望!!     ツムジ
迷い捨てプライド捨ててゲーセンへ 小泉
 コイン投入出でよ当たり目     彩火
輝いて新たに願う冬の月      ツムジ
 お屠蘇一献今日は無礼講    彩火
書類溜め窓から逃げる副社長    小泉
 球団参入仙台が沸く      ツムジ
花吹雪すり寄る猫に笑いかけ   彩火
 春あかつきの爽やかな風    嵯都美

 平成16年10月30日 首尾  於 桜花学園大学


展示
「日本語表現1」「文学表現」「総合研究ゼミ」授業作品報告
■鳥尽くしKUSARI (インターネット連句)
■竜神連句会案内・作品■栄連句サロン案内・作品 ■とよあけ連句会案内・作品 ■尋牛連句会案内・作品
特別展示「百韻」(ころも連句会他)

作品は04年8月に高山市の飛騨民俗村旧前田家で10時間にわたって巻かれました。連衆はころも連句会を中心に竜神連句会、栄連句サロン、KUSARIなどから有志が集まりました。

  百韻は100句の連句形式です。4折の懐紙に 初折22句 二の折り28句 三の折28句 名残の折22句 を発句以下に続けて挙げ句まで計100句です。古式の規則にのっとり、春夏秋冬、この世の森羅万象をとりいれて、人事、自然を詠みます。花の座が4カ所。月の座が8カ所に配分されています。(今回は一カ所月花が合同しています)。作品は4枚の懐紙に藤の花書きで稲垣渥子筆で清書され、紅白の水引で綴じ、三月に熱田神宮に奉納予定です

百韻「旅やよし」の巻            矢崎 藍 捌

(初折)
表 発句 旅やよし飛騨の蜻蛉の翅ひかる  矢崎藍 三秋
   脇    客人迎え木槿咲く里     水口康彦 初秋
 第三  の宴情感こめしカラオケに   長坂節子 仲秋
   4    ちょこんと並ぶ陶の猫たち  繁原敏女
   5 愛用の大歳時記は父譲り     稲垣渥子
   6   試験勉強ラストスパート     倉知武好
   7  分水嶺標識のあり草茂る     塚本益美 三夏
   8   雲を残して暮れてゆく夏     福井直子 晩夏
裏  1 検閲の厳しくなりし空港に     佐藤ふさ子
   2    カルアミルクの甘い誘惑       々
   3  顔埋めあなたの鼓動ききたいわ  黒木美代子
   4   おとなぶってただけの十六     増田晃子
   5 捨てられぬモノ増えてゆくワンルーム  草笛奏
   6   あちらこちらに託老所でき     近藤富子
   7  とまらない昔話に冴ゆる     加藤直子 三冬
   8 川向こうより響く鐘の音 間瀬     芙美
   9 二リーグ制巨人ナインも署名して  由川慶子
   10  赤い自動車忘れたの誰         渥
   11 幸せが指の隙間をすりぬける      福
   12  熊野古道に初蛙啼き          節  三春
花 13  花陰に木霊ひっそり眠り居り      奏  晩春
  14  オレンジを剥く朝のテーブル       芙  三春
(二の折)
表  1 晩年は似たり寄ったり夫婦連れ   谷本守枝
   2   蠅取り紙にもがく銀蠅      八木聖子 三夏
   3  親切で丁寧借金コマーシャル       富   
   4  大物議員ついにあやまる        美
   5  出格子の旧き町筋松の風    二村鉄男
   6   お手々つないで選ぶお土産      彦
   7  するすると湯船ではずすネックレス    枝
   8   好きの一語に息がとまって       慶
   9  鶴となり次元をこえて飛び立たん    奏  三冬
   10  湖面しずかに流れゆく刻        美
   11  絵日記に色鉛筆の青が濃く      益
   12   じゃんけんぽんでケーキ決定      富
月  13 良夜なり斜めに貼りし空家札       美   仲秋
   14  唐黍畑に猿が出没            慶  仲秋
裏  1  直会の酒を振舞う秋祭         益   三秋
   2    まじめ不まじめ僕の勝手さ      武
   3  天気図の西より崩れゆく列島      節
   4  妖しいオーラ放つ熟年         女
   5  アンテナにビビときました夏本番    晃  三夏
   6   夕陽のなかを凌霄花が散る      加  晩夏
   7  憲法の自由解釈第九条         富
   8   中東の地にきざむ足跡         彦
   9  父去りしあと土砂降りの雨だった    藍
   10   君は君だよそのままでいい  伊藤良重
   11  通知表並ぶあひるもいつか飛ぶ     ふ
   12  小公園の水ぬるむ池          富  初春
月花13  月のぼる気配ほのぼの花の山    節  晩春
   14  阿弥陀如来に祈る春宵         渥  三春





(三の折)
表 1 メーデーは子等もチワワもひき連れて  芙 晩春
   2  自作自演のライブステージ      美
   3 恋なんていやよ苦しくなるばかり    福
   4  方位磁針が君を求めて         奏
   5 こだわりの骨董ベンベ(BMW)街を行く 芙
   6  合併バンク生き残り策         美
   7 リストラの思いしみじみ払う雪     武 晩冬
   8  鯛焼きの尾に餡をたっぷり      福 三冬
   9 痩せ薬眺めるだけでよく効いて    慶
   10  駅前看板ヨン様の笑み        晃
   11 そっと抱く李朝渡来の白磁壺     節
   12  柳の下に泥鰌何匹          富
   13 熱帯夜深夜ラジオを友とする    鉄  晩夏
月  14 留守居の部屋にの涼しく    渥   三夏
裏  1 運命を決める賽子振った神     武
   2  虚飾の大義かざす戦い      渥
   3 主婦と趣味しかやってない日々ですが  加
   4  座布団二枚あげてください       晃
   5 しっかりと透視されてる胃の形     節
   6  警笛鳴らし通過するバス       渥
   7 コペンハーゲン人魚の像は海を向き 慶
   8  約束破るカフェの黄落         藍 晩秋
月  9 小悪魔の顔うつしだす明かり    晃 三秋
   10  見つめ合ってるままの秋翳     加  三秋
   11 事務室の拡大コピー時間外     武
   12  寝不足をして上がる血圧      益
花  13 散り紛う燦々と二度童       女 晩春
   14  孕みの馬の眼の潤みたる     慶  晩春
(名残の折)
表  1 畑返す農夫の影の長くなり     福 三春
   2  Shakespeare In Loveの幻    奏
   3 階段に残すティアラと薔薇の香と    ふ
   4  ぷつんと切れしギター三弦    藍
   5 帰ろうか水のきれいな故郷へ    加
   6  寿限無寿限無と孫が唱える    益
   7 譲れない第一志望の理工系    美
   8  ジンジャー効いたチャイが熱くて   晃
   9 年金に身の丈合わせつつましく    女
   10  腰痛持ちは椅子にどっかり    芙
   11 新店舗二十五時間営業中      慶
   12  都会の秋の空は鋭角        福 三秋
月  13 さよならとグランドゼロに叫ぶ   彦 三秋
   14  団栗の実を埋める未来に      奏 晩秋
裏  1 右ひだり生きとし生けるものどうし  敏
   2   怪獣稼業らくじゃないのよ    晃
   3 着ぶくれて満員電車発車する    芙 三冬
   4  曇り硝子に這う冬の蜂        ふ 三冬
   5 その昔エリートだった好々爺     益
   6  BBSですごす永日          藍 三春
花 7 いざ遊べ熱田の宮のの雲      慶 晩春
  挙句  酔い心地なる神々の春   柿本時代 三春





 平成十六(2004)年八月二日起首 同三日満尾 
 於 飛騨民俗村旧前田家 & 高山グリーンホテル 

 連衆 水口康彦 長坂節子 繁原敏女 稲垣渥子
     倉知武好 塚本益美 福井直子
     佐藤ふさ子 黒木美代子 増田晃子 草笛奏  
     近藤富子 加藤直子 間瀬芙美 由川慶子
     谷本守枝 八木聖子 二村鉄男 伊藤良重
     柿本時代

今年もたくさんのご参加ありがとうございました。しりとり連句のとびいりさんたち、コンクール入選高校生のご家族
の笑顔、
新聞付け句の読者さんたちとの出会い、卒業生たちもたくさん現れて、楽しい二日間でした。主催、後援および、ご協力のボランティアのみなさん、ご苦労さまでした。そしてコンクールもふくめ、様々な形でご参加くださった多数の皆さんにお礼もうしあげます。(藍

                                桜花学園大学生涯学習研究センター

ホームページ矢崎藍の連句わーるど