→矢崎藍の連句わーるどtopへ
→とよた市民キャンパス連句まつり'03-J「付けてみませんか」へ
|
3月に募集、8月10日しめきり。全国からの応募作品は1163組。8人の選者により、特賞10(副賞二万円)・秀逸52・入選140。計延べ262の、現代連句を代表する作品が選ばれました。来春に作品集(募吟1の付け句も収録)を発行し、入選代表者にお送りいたします。(ほかにご希望の方は千円でおわけする予定・詳細後日)
入選発表・すてきな三句募吟入選作品全発表←クリックしてください |
受賞記念連句会 |
表彰式と連句会には中部はもちろん、東京、大阪から多数来場のほか、札幌、茨城、富山、長野、京都、奈良、香川、愛媛県ほか全国から90名のご参集を得て、盛況でした。(司会福井直子)
1 ご挨拶 桜花学園大学生涯学習センター長 ブストスナザリオ
2 連句協会近松寿子副会長 祝詞
3 表彰式 特賞のみの表彰状と副賞を、各選者により、当日ご来場の受賞者(代表者または付け句作者)に贈呈しました。
|
4 さて、14座に分かれての連句会です。さすがの作品をご鑑賞ください。
俳諧寒菊堂主宰の笠置俳諧も華やかに連句バーを開いてくださいました!
半歌仙「鳥渡る」の巻 大野鵠士 捌 キャンパスはビルの七階鳥渡る 大野鵠士 夕月かかる金の鯱 山中狐太 メール見る帰りに酸橘買ってきて 増田晃子 きょうは休みと父が張りきる 近藤とみ子 右左双子を抱へ映画館 加藤直子 クーラー少し強く効きすぎ 晃 エコライフ路面電車の走る町 と まじめ一途な君の横顔 晃 へいへいとあなたについて五十はや と 恋に死んでもみたい"こんこん" し 怪盗が抜け穴くぐる謎の城 太 カフカの家は壁の間に 太 月皓と白くなれない黒うさぎ 士 新製品のチョコのいろいろ 晃 ダイエット来週からと言訳し 晃 カタログめくる昼の公園 と 陣取りてよき場に伸べし花筵 と 春の名残に約す再会 直 |
茨 「霜降や」の巻 近松寿子 捌 霜降や季語は季語とて連句晴 近松寿子 栗名月にならぶ御馳走 間瀬芙美 蝗跳ぶ実りの中を帰りきて 恒川暁子 こころひろげるわかもののこえ ビジャロボス・アンテルマ スクラムを組んで優勝夢見てる 佐藤ふさ子 いまに響くか"六甲おろし" 暁子 ぬくもりにあしがよろこぶほりごたつ アンテルマ セーターへ編む彼のイニシァル ふさ子 とわのあいいのりをこめし赤い糸 アンテルマ お風呂あがりのうまい酎ハイ 暁子 テディベア窓に飾って汽車が行く 暁子 鎮守の杜をかけ回る子ら ふさ子 かぜにのり雪とみまごう花ふぶき アンテルマ 川は流れて遡る若鮎 芙美 *アンテルマさんはブストフ生涯学習センター長夫人で、 良い句をおつけくださいました。日本の文化へ深いご理 解をいただいてうれしく存じました(近松) |
オン座六句「虹が産声を」の巻 小池正博 捌 秋麗さてきしめんの味加減 小池正博 濃きも淡きも紅葉染めあぐ 友田洋子 芸術祭月見の歌を高らかに 小野芳梅 カンバスはまだ隙間残して 原 梓 新築のマンション買い手つかぬまま 河合はつ江 夕刻の窓影の横切る 草笛奏 君縛る約束ならば捨てていい 奏 ノラの家出も今や死語なり はつ江 「冷やし中華始めました」と夏を告げ 梓 氷室の里の森に鳴く鳥 洋子 輪になってコロボックルの踊りだす はつ江 色とりどりの衣装身につけ 芳梅 コギャル達の話し言葉は超が多くて 芳梅 土砂降りのなか救急車 洋子 虹が産声を上げる準備をしている 奏 居座る道路族のドン はつ江 戎橋より飛び込む若者の六甲おろし 洋子 都会に生くる猫の瞳 梓 哀しみをいくつ数えて星となる 奏 寒念仏を唱う雲水 はつ江 妖と杯重ね朝を待つ 奏 柱時計の掛けられる居間 はつ江 花の雨ギター爪弾く次男坊 芳梅 春風受けて駆けだしてゆく 梓 |
笠置俳諧 会場の隅で賑やかなのが、連句バー笠置です。 あちこちの座でお暇のかたが寄って、一句付け ると、えん(火・火・火)ママさんがミニボトルをく れます。いらっしゃい!いらっしゃい! R「七化けの」の巻 岡本星女 捌 七化けの狐の本性曼珠沙華 岡本星女 メキシコになきそぞろ寒さよ ブストス・ナサリオ アボカドとマッシュルームをサラダにし ブストス・アンテルマ どこで吹くのかフルート嫋々 多村遼 異次元の景ぷかぷかと煙草の輪 武村利子 眠り猫のお里は日光 山内多美子 凍滝の裏の不動に願かけん 大城里水 雪にうもれて二人で死にたい 瀬尾千草 そうなのよあなたのものはわたしのもの 福井直子 爪を噛むのは悪い癖よと 佐久間和宏 スパイKに他郷の月の涼しかり 矢崎藍 群青色の皇帝魚の悲しみ 星野えん) 酔っぱらうまでは呑まないお酒です 吉田白露 二DKに住んで何十年 稲垣渥子 春の夢仇野らしきどこまでも 横山わこ 明日は絵踏みの心定めて 野島一子 花つむじ卍巴をさながらに 林道子 集音マイク提げる野遊 佛渕健悟 |
半歌仙「木の実降る」の巻 原田千町 捌 木の実降りたのしくはづむ國言葉 原田千町 縁に坐りて月の出を待つ 武村利子 新走り高き香りの際立ちて 大城里水 君の土産は何時もおんなじ 大石聖 持ち重るひいき作家の復刻版 谷地元瑛子 苦吟一刻細る雪道 中村速雄 鉦太鼓寒念仏の若き僧 利 胸の炎をなほも燃やすか 速 水瓶の水色深く澄みてをり 瑛 ミサイル積んだ車発進 聖 大鷺の有明よぎる里に生き 水 筍飯のお櫃たひらげ 利 警告に高見盛の打ち萎れ 瑛 サイドボードの猫がニヤニヤ 聖 老ひづきて早寝早起き徳ならず 速 卒業の子が姿見の前 利 花満ちて天平乙女頬豊か 町 二上山も踏青の頃 水 |
半歌仙「尾張なる秋」の巻 木村ふう 捌 尾張なる秋に授かる縁かな 木村ふう ツインタワーに月の皓皓 西田一枝 かすみ網躱し小鳥の舞ひ降りて 山内幸子 藍色まとふ黒いマネキン 嶋田満子 流行の先の先ゆく若人は 加藤治子 麦酒並べる草原の卓 増川妙子 良き夢を思ひ出せずに籐枕 幸子 あちらこちらに謎のイニシャル ふう 射抜かれしクレオパトラの強き瞳に 一枝 在家の僧の彫る歓喜天 妙子 老犬は何が起きても驚かず 治子 首暖めて腕は丸出し 満子 雪間月背負ふ滑降八方尾根 治子 銀河鉄道行ってしまった 満子 定年後第二の人生謳歌せむ 幸子 濃き珈琲の香りただよふ 妙子 診療所開設祝ふ花の村 治子 子らのスキップ風光る中 一枝 |
半歌仙「めぐり逢い」の巻 城依子 捌 めぐり逢い大切にして花野ゆく 城依子 虫時雨分けまっさらの靴 淀川しじみ 幼な等がまんまるな月描くらん 永見徳代 窓辺のピエロそっとほほえむ 繁原敏女 アンティーク家具のすてきなティールーム 斉藤桂 ちらちら雪の降りはじめたる 代 栗色の革手袋のまま握手 桂 さっと飛び乗る北行きの汽車 み 無口とはみな幽霊の客ならむ 家柳はやお 風に揺れいる小屋の貼紙 女 恋の夢書き留めておく枕許 み 願望ばかり多き奥方 代 波となる蚊帳に差しこむ月の光ゲ 桂 鞍馬の山に青葉木菟啼く お Uターン身辺整理する議員 女 酔いにまぎらし洩らす本心 子 赤らんだ顔(かんばせ)包む花篝 お 春の名残の産土の杜 代 |
半歌仙「開学百年祝ふ」の巻 杉山壽子 捌 菊薫る開学百年祝ふかな 杉山壽子 円卓囲む爽やかな笑 多村遼 横笛にさそはれ月は山の端に 林道子 ぽとりぽとりと蹲踞の水 名本敦子 夏初め混群の鳥枝にきて 二村敏男 麦藁帽子兄とお揃ひ 敦 マハーラージャ宮殿に見る石の像 男 刻の狭間を吹き抜ける風 遼 蠍座も闇のときめき甘えごゑ 男 ディープキッスにうろたへる僕 壽 ひょっとこのマウンテンバイク疾走し 道 涯まで続く凍てし地雷野 遼 弦月に曲者らしきまみ狸 敦 徳利傾がせあふれゐる盃 遼 産土神に船出の無事を聞いてみる 敦 しゃぼん玉飛ぶ顔も飛んでく 道 散り初む花ならせめてアダージオ 遼 霞にけぶるビルの一角 道 |
連句14 「もみじ舞う」の巻 伊藤良重 捌 もみじ舞う葉の色しみる校庭に こくまろ 運動会の声援が飛ぶ ちえ 決め台詞「月にかわっておしおきよ!」 ちえ 小さい頃のままごと遊び 白露 冗談が種まき育つ赤い糸 こくまろ もう戻れない笑ってた時間 ちえ 蛇使い思い出の中眠ってる プラチナ スイカ狙って脳天直撃 白露 ケータイの着メロで聞く浪漫飛行 コットン 平和願った雪の降る夜 プラチナ 虐待のニュースに心暗くなり コットン ブランコこいでおもひ振っ切れ! ちえ 花盛りくぐった門は志望校 プラチナ 風に吹かれて風船がとぶ 白露 連衆 市川明宏 加藤智恵子 吉田愛 山内奈津美 加藤広子 |
半歌仙「めぎつね座」の巻 田岡弘 捌 秋うらら居心地の良きめぎつね座 田岡弘 香りもまろき新酒いろいろ 福井直子 有明の月を指差す稚ありて 野島一子 角を曲がればゲームセンター 近藤優希 打水に店の名前は4℃ 一 今日の一日を終へて灯涼し 沖定雄 緩やかな柱時計の刻の音に 直 セピア色した祖母の恋文 直 ケータイを忘れずに持つ初デート 定 貯金足りない車買へない 優 泥縄の政策ならぶ選挙戦 定 河豚の毒もて世俗正さん 直 震へゐしマリアの像に冴ゆる月 直 谺と消ゆる犬の遠吠え 優 海沿いを気ままに辿る独り旅 優 山頭火似の笠に淡雪 弘 羽衣の舞に落花の限りなく 一 雲雀の笛の響く夕暮 直 |
半歌仙「ガス灯」の巻 大西素之 捌 ガス灯の霧に点りて明治村 大西素之 夕月過り渡りゆく雁 瀬尾千草 地芝居を継ぐ若きらのひたむきに 山寺辰巳 膝の抜けたる細きジーンズ 稲垣渥子 自転車の買物籠に犬を乗せ 山内多美子 広き青田に見ゆる風筋 素 卓上に手擦れの一書鴎外忌 千 気づけば遠く電話鳴ってる 辰 恋心一気呵成に発火点 渥 堕ちてもいいと逢ひにゆく道 多 解任の藤井総裁したたかに 素 朴の落葉のはらはらと散る 千 家々を巡るキャロルに月冴えて 辰 この頃少し呆けし爺さん 渥 大喰ひはDNAに組み込まれ 多 クレーンそびゆ対岸の街 矢崎藍 出土せしラピス・ラズリに花霏々と 千 幸せさがす初虹の下 辰 |
半歌仙「爽やかや」の巻 東浦佳子 捌 爽やかやキャンパスにもつ連句の座 東浦佳子 ゆくりなく逢ふもみぢとりどり 内山尚美 月白に初孫一歩あゆみだし 塚本益美 螺子巻き時計ちつくたつくと 竹内昭子 毎日の日課を今日もこなします 武藤美恵子 網を繕ふ暖冬の浜 浅野寿治 到来の酒松葉蟹楽しみに 美恵子 小悪魔も出るパンドラの函 尚美 光り物何でも好きとねだるママ 昭子 胸の底には本命の君 美恵子 どこからか三線の音の流れ来て 佳子 夏蕪蒔かる家庭菜園 益美 月涼し心経写す人人に 々 拉致の少女は老ゆること無く 昭子 岸壁にブロンズの像佇ち尽し 尚美 遠山淡く春光の中 美恵子 旅に訪ふ名古屋の城は花万朶 昭子 お国訛で交はす囀 尚美 |
半歌仙「行く秋や」の巻 青島ゆみを 捌 行く秋やここは尾張のど真ん中 青島ゆみを ビルの谷間にみえる眉月 倉知武好 組皿に太刀魚の身を切り添へて 松永直子 手づくりの和紙送る絵手紙 田伏博子 雪山の小屋に到着メモを取る 水口康彦 凍てつくまでの夜行列車が を シベリアのくらしに負けぬ日本人 好 ボーイソプラノ高く響きて 直 投げ捨てし王位継承愛故に 博 様の呼び名が変わる「あなた」と 彦 汗しとど馬鹿呼ばはりの仮面劇 を 六甲おろし夜をあかせり 好 有明に鳴きゆく鶴の細き足 直 火の見櫓の宿に遊べる 博 酒すすむ地酒を置いた縄のれん 彦 本棚の隅ひひな座らせ 直 花の笑神舟号が打ち上がり 彦 おぼろおぼろの遠き山巓 博 |
二十韻「大安」の巻 片山多迦夫 捌 大安のお日柄もよき鰯雲 片山多迦夫 出合ひ頭に昇る玉輪 奥村富久女 菊の酒紺瑠璃杯に満たすらん 横山わこ あまたの雑書積んで置くまま 奥村榮一 鬼おこぜ一匹釣れし防波堤 高橋良風 年用意してあした待たるる わこ こいさんと中いとはんは恋敵 富久女 近くて遠き国はおそろし 々 ミサイルは発射地点へ戻すべし 榮一 ヘミングウエー「武器よさらば」と わこ てにをはがとても苦手な茶髪族 々 観覧車にて使ふ携帯 佛渕健悟 エロスよりアガペーを説く君寂し 多迦夫 夢占ひに現れし白蛇 健悟 八つ切りの黒部西瓜のよく冷えて わこ オペ終へし瞳に月の涼しさ 多迦夫 丁々と鼓打たせて舞ひ澄まし 健悟 政所さま目借時なる 富久女 胡坐正坐歌膝もある花筵 々 巣立ちし鳥があそぶ鯱 良風 |
懇親会 |
主催 (ころも連句・栄連句サロン・インターネットKUSARI他)
5時半から、隣のビルの会場ルッカで連句会参加者の懇親会が行われました。58名出席。栄連句サロンの赤鈴さん、ころもの間瀬芙美さんの陽気な司会で盛会でした。なんと能楽師の奥村富久女さんが手拭いをちょいとかぶって「富士の白雪やノーエ」なんて踊りも出て、すごい!連句界はいろいろ一芸に達したかたが多いんです。ーーふう。そしてしろうとでも学生でもごいっしょできるところがまたよいところなのです。