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豊田市民総合文化祭・桜花学園大学生涯学習研究センター特別行事 第五回「全国高校付け句コンクール」
      
とよたキャンパス連句まつり'07
「付けてみませんか」
募吟発表!       
   会場   桜花学園大学食堂東棟
    時     10月27日(土)11時ー16時    10月28日(日)11時ー15時
   主催 桜花学園大学・同生涯学習研究センター ・豊田市・豊田市教育委員会・豊田市文化振興財団
   後援 
中日新聞社・連句協会・愛知県・愛知県教育委員会
  

 第八回の「とよたキャンパス連句まつり」が桜花学園大学の大学祭(秋桜祭)で開かれました。今年も中日新聞コラム「付けてみませんか」と連動し一般の部の短冊発表のほか、高校等対象の「第五回学校付け句コンクール」の発表も行われました。会場では、高校付け句コンクール発表ほか、来場者による沓冠連句、尻取り連句、妖怪連句、猫連句など、地域付け捌きの連句獅子の座、学生付け句、しりとり連句など、学生、卒業生、他大学学生、地域の参加者など、またまた大盛況でしたよ。

■付け句発表(中日新聞・東京新聞コラム 付けてみませんか特別募吟
   前句   (ばったり会った人ごみのなか   めじろ)
  めじろさんは国際文化学科寺島ゼミ3年生。

学校付け句募集パンフレット→PDF PDF

9月20日しめきりまでに高校部門10551句、一般句(年齢は4歳から90歳代まで)を合わせ12000余句のご応募ありがとうございました
全国学校付け句コンクールは入選句を、一般付け句は、新聞発表のほか応募句より400余句を短冊に書いて掲示しました。学校付け句の入選の方も一般の方も見に来て楽しんでくださいました。
付けてみませんか2007ばったり会った人ごみの中全国高校付け句コンクール全入選句   
                 
そして各コーナーではいつものように、どの机も、連句遊び。地域と、学生と、全国の付け句、連句仲間と。留学生も日本語で付けてますよー!
■連句遊びコーナー沓冠16 2巻  妖怪尽くし二十韻 猫尽くし半歌仙 酒恋二十韻
☆各テーブルで、
  
 
沓冠16 「秋桜祭」の巻    捌 稲垣 渥子

つかしき顔に逢いたり秋桜   稲垣渥子  
 もってのほかの君の可愛     伊藤良重 
明り跳ね橋上がる気配して    石川 葵
 有名コック作るご馳走        間瀬芙美

じけ猫主と共に太めなり     佐藤ふさ子
 同窓会に染めるごま       谷本守枝
ャガールの空の青さは透き通り 長坂節子
 プリマドンナを目指す練      宇井 希

日今日ショーウインドウの春の色    希  
 うららうららと聞く物           節 
の音に誘われ出でし花の精       節  
 土管の向こう来し方を見        葵

ごろしふざけて呑んで酔いまして    枝
 与党のドンに絡む目纏         芙  
梅の子沢山なる部屋の中        枝  
 開けたら夢のあふれ出るド      渥
           
平成十九年十月二十七日首尾
                於桜花学園大学大学祭会場
(沓冠は発句を分解して、長句の上と短句の末に置いて句を
作ります。4聯の獅子16を基本としています。四季順行)

A 沓冠16「茶の花日和」の巻  捌 稲垣渥子

ここかつて茶の花日和続く丘     寺島初巳 
 学園の窓冬の暖            藍  
国の衣裳の人の集い来て        ひわ
 流行りの曲のかかるオーディ     芙美 

椿餅幟を立てて売る老舗         美代子  
 春の便りに心ときめ            わ
当な誘う仕草で迷わせる         代
 さそり座の君生まれしは根     イスズ

チャコールの背広薄暑の街を行く     節子
 鯵のたたきで酒を酌みつつ        ズ
イスバンシュテイン城に雨が降る     わ
 いつでも旅は地球儀くる         芙

様が大好きだったと富士       ばび  
 新蕎麦の味守る大御        とみ子  
気ない言葉の裏を読んでいる       武
 又会えたねと交わす喜         ズ
                 平成十九年十月二十八日首尾 
             於桜花学園大学大学祭会場

 C酒恋
  二十韻 「君の返事」の巻  捌 長坂 節子


   秋桜祭君の返事を待ちあぐむ      節子
    今年の酒はなぜか辛口          葵
   望の月見尽したまま共寝して        希
     チャームポイントタトゥーのほくろ     同
  御簾ゆれて君の姿が垣間見え       葵
    いとしいとしとすがりつかれる      節子
   残り香に酔うて候貴腐ワイン        希
     雪はしんしん螺旋階段         慶子
   湯どうふのぐらり隠した本音出る     節子
     無口な女の薄い唇           渥子
ナオ 焼酎は甘藷(いも)に限ると肥後もっこす  同
     玉三郎は色気たっぷり           希
    ビビッときたレーザー光線飛ばされて 美代子
     下戸のふたりは温泉旅行        葵
   月光に拾い読みする彼の文        芙美
     空気読めないラブも今風          同
ナウ BBSのろけ話は嘘真            彩火
     恋患いに飲む胃の薬          とみ子
   花嫁を抱けば重たし花の中          藍
     春はあけぼのつかのまの夢      節子
      平成十九年十月二十七日起首 二十八日満尾 
                      於桜花学園大学秋桜祭

 賦し物 (賦し物 特定の物・T−マを各句に詠み込む)

B猫尽くし ぜんぶ猫句だぞー! 
 半歌仙 「コスモス」の巻    捌 石川葵 


   コスモスや猫に招かれ句座に居り    葵 
    横目でにゃおとにらむうそ寒      守枝   
   ゆらり三毛の姿は掻き消えて    とみ子    
     屋根に残った肉球の跡        芙美 
   羽根帽子長靴はいて剣さげて      芙美     
     毛糸の玉にじゃれて追いかけ   しげる  
  寒鰤の骨の髄までしゃぶる舌       慶子 
    しっぽ絡めて対で見る夢         ふさ子     
   鍋の中グルーミングでプロポーズ     彩火  
    木天蓼に負けパンチ一発          郁     
   アメショーもメタボとなって形無しね     タマ    
    ババにはちゃんと砂かけるのよ      藍     
   パステトの瞳濃緑月凉し          節子 
    ひげをピクピク野良の集会       天満月  
   トトロ乗せ縞々のバス急停車        郁  
    雪消の水に和毛柔らか           葵  
   花巡り陽気に鳴らす首の鈴         彩火  
     鼠の気配にんまりと春           郁  
      平成十九年十月二十七日起首 同二十八日満尾
                        於桜花学園大学秋桜祭
C 妖怪尽くし
 二十韻「狐狸妖怪」の巻   捌  矢崎藍


   狐狸妖怪なだれこみたり秋桜祭   藍   
     唐傘おばけりんご丸のみ     彩火  
   に一反木綿ひらひらと   市村直生  
     砂かけババァ畑を耕す      たま祐   
  巡回中狼男に変身し           洸  
     ナイトメアがホップステップ    ふく子   
   びんたされカオナシさめざめ泣く線路 めじろ  
     にゃぁも言わずに止まる猫バス  千絵    
   塗壁が横れんぼして通せんぼ    沙織    
     うなじが伸びる友禅の美女   たま祐   
ナオ のぞき見のひとつ目小僧青ざめる   ちえ    
     どこでもドアで西洋の街      ハハ    
   ドラキュラが生き血を求め凱旋門 プラチナ  
     幽霊船は海霧の彼方へ        藍     
   夏の月チョンガー鬼神の嫉妬心     秀  
     振り向いたらば卵おばけが      秀  
ナウ キョンシーが一列横隊マスゲーム    徹    
     キッコロふわり風船の旅      めじろ  
    ルンルンルン蝶々と遊ぶ花の精  たま祐   
      バルタン星人酔い寝する春    執筆  
            平成十九年十月二十七日首尾
                    於桜花学園大学秋桜祭






 

■尻取り連句コーナー
恒例いつも人気の尻取り連句の座ですです。なにしろ学生だけでなく全く新入りさんもとびいりで、プロにおしえてもらいながら遊べますからねえ。
大同大学の男子学生さんも二日間遊びにきて下さり、たいへん賑やかでした。ちなみに机の上には筆記用具。季寄せなど資料だけでなく、学園祭のテント売りのご馳走だらけ。韓国のちぢみ、中国の水餃子、南国の揚げ菓子に、三河名物馬糞饅頭ももちろん。

 尻取り
.しりとり連句
    @ 「宙乗り狐の巻」  捌 間瀬芙美 ほか

1 宙乗りの狐の翔ける花野かな          藍
2  かならず尻尾つかむ秋           芙美
3 雀ばらばらに降り飛び立ち       しげる
4  のなる方へかわいいあの娘         千絵
5 から愛していますマイダーリン       芳梅
6  リンリンリンとメールが届く          美由紀
7 米仙人雲の上から落っこち       しげる
8  ジキスタンは高原の            葵
9 げ足の早い羊を追いかけ         慶子
10  るんるん気分歌う鼻            芳梅
11 行けば吉良の仁吉に花手向       しげる
12  嘩っ早さ親ゆずりです           芳梅
13 ディスカッション口角泡を飛ばしつ    しげる
14  じ合ってる気持ちはいつ        喜代香
15 り上がる頃に魔法は消えそうで      ふさ子
16  腕によりかけ作る肉じゃ         たけし
17 の強い勝気なママの走りぶり       たけし
18  ぶり起しとて大漁の旗            慶子
19 草手に枡酒友と酌み交わす        しげる
20  忘れないでね今言ったこ         たけし
21 年は三歩進めば先を見         とみ子
22  留守電話には投資セール          良重
23 リル良し激流に下る月の        たけし
24  ころぶだけのじゃまくさい      ヤンボー
25 湧く大同うどん召し上が        チャパ
26  クチャーします桜花のダンス        ツナ
27 きだって言葉にできないシャイなお  ヤンボー
28  んこんの穴カラシで埋める         ツナ
29 ビーよりキレイに光る愛の      ジョージ
30  だ事じゃねぇー君いない       ヤンボー
31 璃色のビー玉敷いた金魚         彩火
32  ょっと待ってね。まだ早すぎ        秀
33 守電の点滅とても気にかか         葵
34  帰る故郷の               慶子
35 ライカ持ち西へ東へ花紀          明子
36 鶯餅を口にいっぱい            美代子
       2007年十月二十七日首尾 於・秋桜祭連句まつり



A 尻取り連句  「高台の巻」  由川慶子ほか
1  高台の鄙曇りから時雨けり           徹
2   けり上げボールろう梅の木        イスズ
3  人気者母の期待をかなえた        美代子
4   守番電話に男の声が           美恵子
5  ガラス越し初恋の君目で追っ       イスズ
6   天竜川に浮かぶ月            美恵子
  げにげにと身に入れて聞く辻楽       節子
8  歯槽膿漏癒されてい           美恵子
9   苦学生教授の下で手伝っ         美代子
10   てんてこまいの夕飯の           だれか
11  どきどきと当選発表待ってい         慶子
12   ビーの指輪に変わる夢持        美由紀
13  "カツリ"ころがる他に何もな       聖きよみ
14  ちしち出すに四苦八苦す         塚本
15  ート三ひと夜ひと夜にひとみご       ひわ
16   で責めるは彼の戯             芙美
17  然にひとりになって分かること      美代子
18   ことなかりけるあなたの本        たけし
19  ずにするテストの前の一夜づけ      たけし
20   の啼く声響く山             芙美
21  の悪さ空気を読めず失敗だ         吉光
22   いだく思いはまっすぐ進め          野田
23 ダカいる川を見つめてふと感心       吉光
24    しんしん近づく命の夜明          野田
25  ータイのシャメで撮影キレ        吉光
26    行きます母も君巣立つ春          たけし
2007年十月二十八七日首尾 於・秋桜祭連句まつり

学生出題句への付け句コーナー
4年ゼミはインターネットで学生BBS付け句を主宰しています。この祭りでも前句を出題しました。お客さんが多数きて楽しんでいただき、子どもさんもおかあさんと参加。各数十句ありますが、ここは一部掲載でお許しを。会場のプロジェクターで、二つのスクリーンに映されたインターネット画面にも各地から付け句が入り、短冊が増えました。

            
★ 手をつなぎ並んで歩く夕月夜     milky(3年)
                (七七句を付けて下さーい)


 糸瓜をよけてくぐる裏木戸           可央
 ほら鉄橋を渡る準急                藍
 あと少しだけ離れたくない           めじろ
 とけないうちにアイス食べちゃえ         まお
 コンビニみっけアイスをかって         みらい
 娘に語る昔の恋を                かよ
 闇が抱く泡沫の夢                 翠
 ホラー映画の恐怖拭えず             小泉
 二つの影が一つになって             よね
 抜きつ追われつ赤とんぼ            ふうろ
 かぐやが帰る光の中を            ばらずし
 星まで続く道を二人で               奏
 頬をくすぐる風心地よく            千之介
 みなとみらいの見える公園           kei
 秋の蛍が前をゆらゆら            じんない
 闇に潜む身香る沈香               まあ
 一瞬だけの生の灯火               奏

 
★ 燕見上げた故郷のこと        えい(院1年)
            (五七五句を付けて下さーい)
あの頃はいつも隣に君が居た          草笛奏
現実は電車の窓の景色だけ           草笛奏
空のない都会に今は生きている         草笛奏
泣くことをやめたら心枯れ始め         草笛奏
あの歌はもう最後まで歌えない         草笛奏
もう過去にもどれないのよ僕と君       ばらずし
もうないわ私が育った家さら地        ばらずし
高くとべ!!今さらわかる親ごころ        かよ
巣立つ日の父の姿と母の手と           かよ
あぜ道を黄金の波に乗り渡る           彩火
帰りたいでも帰れない根無し草          よね
今は亡き祖母祖父そして父と母          kei


   



  みらいちゃん、まおちゃんも、学生やおとなにまじって
付け句です。

★  早く来て!馴れない下駄で待ち合わせ たま祐(4年)
                 (七七句を付けて下さい!)
 僕より高い君の身長               小泉
 うなじの汗を月に照らされ           ドリー
 気持ちと逆に胸が高なる          milky
 三毛猫眺め時間をつぶす            めじろ
 あなたを想う瞬間は永遠            ふく子
 バンソコ持ってる君は何者!?          かよ
 天気占いなんと雪だと              道草
 顔合わせたら泣きそうになる         ばらずし
 ピンクのゆかた桔梗が咲いて          ふうろ
 そわそわ足踏みカランコロン            翠
 ドキドキしてる指の先まで            よね
 お稲荷さんの狐横目で               藍
 黄昏くれば香る梔子              kei
 桐ののめりが軽い足元             たつみ
 クレープ2個でゆるしてあげる         さくら



  ★袋に入った真っ赤な金魚       めじろ(3年)
               (五七五句を付けて下さい!)
 新緑を確かに見たとDNA            白石
 楽しそうおどっているよフラダンス        まお
 口開けてえさをまってるこわい顔         まお
 でめきんとけんかしちゃだめなかよくね     みらい
 "それならねうちにおいで"とプロポーズ     かよ
 蛍火の灯の道行く闇夜               郁
 酸素バー土曜の午後に予約入れ           葵
 彼想い私のほっぺもおそろいね!!       たま祐
 黒猫の金の瞳がこがれてる           天満月
 にんぎょにもなれぬ哀しみ幼い恋        ルビ太
 偶然にあなたと出会った雪宿り         kei
 新作の創作和菓子召し上がれ            奏
 君が見た夢の話を聞かせてよ            奏
 幸薄の女が泳ぐ水溜り              よね
 泡ひとつ胸の思いを詰めて吐く          よね
 縁日のながしの町は古馴染           たつみ
 檀咲く庭の池にも映る雲           じんない
 縁日のたらいの中から選ばれた        ばらずし
 とび出したゆかたのうみからひゅるぽっちゃん    翠

  

展示
「日本語表現1」「文学表現」「総合研究ゼミ」授業作品報告
■虫尽くし100 KUSARI (インターネット連句)
■歌仙懐紙 百韻懐紙 
■竜神連句会案内・作品■栄連句サロン案内・作品 ■とよあけ連句会案内・作品 ■尋牛連句会案内・作品その他

←雅雀庵四世歌仙懐紙
今年も270人ものご参加ありがとうございました。しりとり連句のとびいりさんたち、コンクール入選高校生のご家族の笑顔、
新聞付け句の読者さんたちとの出会い、卒業生たちもたくさん現れて、楽しい二日間でした。主催、後援および、ご協力のボランティアのみなさん、ご苦労さまでした。そしてコンクールもふくめ、様々な形でご参加くださった多数の皆さんにお礼もうしあげます。(藍)

                                桜花学園大学生涯学習研究センター

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