学生連句文学表現2002ROCK 矢崎藍の連句わーるどへもどる→
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              学生連句2年文学表現 2000年ROCK
              学生連句2年文学表現 1999年ROCK
愛知県の桜花学園大学では参州めぎつねがT・Sキョージュに化けて講義をしています。ふっふっふ。前期につづき、比較文化学科2年生の専門科目「文学表現」も連句の実作です。韓国又松(ウーソン)大学校から18人の日本語学科3年生が参加
木の実落つチャイムの音色なつかしき  彩火


残る蚊や命をかけて血を吸うぞ   小泉
      秋風に俺の心を吹き飛ばす    張成晋
友と見る真夜の星座や白い息    火月 

風が吹きおどされている落葉たち   竹内佳織

 連句(付け句)は友達どうしで言葉を工夫し、協力するので、表現力を磨くとてもよい手段です。自分たちの今の生活、今の思いそのままを、自分たちの今の言葉で表現しよう。おもしろい自分、すてきな自分を見つけよう。自分の思いをぴったり表現できる言葉をさがそう!季語もとりこみボキャブラリーを広げよう!又松大学留学生の皆さんいらっしゃい!日本の座の文学、連句をいっしょに巻きましょう!
1付け句 いくつかの付け句で楽しみました。秋桜祭の付け句

 (横顔の君に今日こそプロポーズ)
雨に濡れてる淡いコスモス 聡美
いっしょに未来歩いていこう めぎ
秋の小雨は別れ知らぬや  韓雄熙
しかし彼には奥さんがいた 吉基宅
降る雨粒は天のお祝い   張成晋
youの前では何も言わずに  朴汎桓
未来のために共に住みたい ベクンホ
よく考えた心が揺らぐ     兪珠蓮
その姿には俺の涙がーー  尹汝主
突然見える黒いにきびが   李正淑
(横顔の君に今日こそプロポーズ)
また日が暮れてカラスが鳴いた  彩火
夜の庭園月光浴びて     小泉隼人
指輪をあげて未来約束     朴學緒
心臓の音聞こえちゃうかな    まる
彼女に似てる花束持って   黄一仙
めぐみとわたしどっちをとるの  前川愛
アイウオンチューとアイニードユー めぐみ
あっち行ってよやじうまニャンコ   すじ
光る雫はうれし涙か         彩火
彼女の瞳眩しい日ざし      鄭文成

2今年も 連句ROCK13巻が巻かれました。(【ひとことは連衆の感想 【この巻に一票】は、他の座で自分に気に入りの作品への感想です)
  ★いろいろ句を見ると面白い部分もあり、悲しい部分もあります。楽しかったです。(李允慧)
★我が又松大学と桜花学園大学の交流でつくられた連句六句を先生のH/Pで鑑賞しました。別の国の人でも感じる思いや詩想は同じようです。(鄭文成)

★ 単純な物事に何か意味を入れて美しく見えるようにすることは本当に良いです。特に物質的にではなく、相手を配慮する心は美しいです。(李正淑)

1 連句ROCK 「冬薔薇」の巻     【悪戯座】
秋雨の窓に滴が文字を書く        火月
 夜食を食べて受験勉強         小泉
夢は過ぎ約束の場所駆けてゆく     彩火
 あなたの心風のささやき         彩火
有明の幻のごと冬薔薇(ふゆそうび)  火月
 こたつにもぐり響きゆく鐘        小泉
【ひとこと ☆韓国では詩が好きだった。芭蕉の奥の細道を読むようになって、まるで幻の汽車に乗ってここまで来たような気がする。(暁火月)☆それぞれイメージしているものがあって、それをうまく定型にして表現するのは難しいけど楽しい作業だった。火月氏とやってとても高レベルな連句をしている気分になった。現実のことを表現しているはずなのにどことなく幻想的な気がするのは冬薔薇のおかげだろうか。小泉の句のおかげで現実感を失わずにすんだとおもう。(彩火)☆二人の句のレベルが高いのでどう付けるか悩んだ。挙げ句の鐘もどう仕上げるか悩んだ。お互いがいろんな句を出して話し合うことが出来たので楽しくやれたと思う。(小泉)
【この巻に一票】★この巻が一番気に入りました。発句は少し寂しい感じがするけれど、次の句で受験生が夜遅くまで頑張っているようすが目に浮かびます。それが夢だった、そして恋句へと転じるのが面白い。月の句は美しく、挙げ句は年の終わりを感じさせてきれいに終わっている。(嵯都美)

★綺麗な言葉が並んでいるなと思った。イメージ的に夜って感じがして、こんな風かなと想像しやすかった。自分的には結構幻想的な感じとイメージだった。受験勉強がすごく現実的、全体的に綺麗な句だと思う。(浅井めぐみ)「こたつにもぐり…」この句は日本の一般的な家庭の姿に、鐘の静かな感じが寂び静のイメージになりよかったです。(???)

 

2 連句ROCK 「紅葉」の巻     【メルヘン座】
秋深き隣は何をする人ぞ         芭蕉
 紅葉の山路行く風の音        鄭文成
いつまでもここにいたいと腕つかむ  まるこ
 幸せふたり春の始まり        鄭文成
花便りほうきに乗って届けます      すじ
 風船が飛ぶディズニーランド      
【ひとこと】
☆脇の「風」という言葉は最初「生」という言葉で考えた。生は意味深い言葉なのでここでは短い連句にふさわしく風とした。日本の俳句、連句は短い文に自分の心や想いを入れる物だからすばらしいし難しい。(鄭文成) ☆私の行く予定のディズニーランドを入れてもらってうれしい。「幸せ」の句はすごくキレイだったから、挙句の予定だったけど4句目になったのはすごいとおもう。(まるこ)
  マイクはなさずワンマンショーね  まるこ
 熱燗をもっとおかわりまだつづく    すじ 
☆鄭さんの句は、味のある美しい日本語を使っていてすごいなあとおもった。まるこちゃんの句はストレート、私の句は相変わらずおふざけ。今回初めての捌き役をやり決める役も大変と思った。(すじ)

【この巻に一票】★脇の句は美しい情景が目に浮かぶ。4の句は幸せと春が良くマッチしていて、どことなくほのぼのとしている。3の句は情熱的で4に良くつ ながっている。5と挙げ句は、花便りをほうきに乗って届けるという発想がいい、かわいらしい句ですね。(小川さん)★この連句が好きです。インターネットで先生のH/Pを読んで楽しかったです。(尹汝主)
 
3 連句ROCK 「猫」の巻       【ぎょう座】
秋深き隣は何をする人ぞ        芭蕉
 蜻蛉の動き追っている猫      極楽院
*  互いの未来映すらん     ベクンホ
 キミに着せたい花嫁衣装      セトリン
手を握る夕焼けの浜愛してる    ベクンホ
 夜空をかざる夏の祭典       セトリン
   *ショーウインドー  
【ひとこと】「互いの未来」と「花嫁衣装」はお互いの未来のために結婚しようとうたった句です。(ベクンホ)
【この巻に一票】★この連句がいいと思いました。他人の連句をみられる機会になってよかった。(朴學緒)


4 連句ROCK 「忠清南道」の巻     【秋座】
秋の空私の夢が実を結ぶ       張成晋
 
月光の下キスする二人        朴汎桓
忠清南道(チュムチョンナンド)に思い出かすむまばゆい日 兪珠蓮
 ラグナロクして世界広げる       小竹
の雲彼女の両手にいっぱいに   兪珠蓮
 はちもちょうちょもダンスを踊る   朴汎桓
【ひとこと】
4人で句を作るのは独りでつくるよりも興味があった。(張成晋、兪珠蓮) ☆未だ俳句は無理だけど結構おもしろい。(張成晋)☆みんながきれいな句を作ってどれを選ぶか悩んだ。(朴汎桓)
【この巻に一票】
★この連句を読んで田舎の故郷を思い出した。田舎は人情は厚く、空気も新鮮で、不便なところもあるが暖かく感じる。(張成晋)


5 連句ROCK 「しゃぼん玉」の巻   【おとめ座】 
秋深き隣は何をする人ぞ        芭蕉
 心を許す
を見ながら       黄一仙
すぐそばに愛するあなたよりそって めぐみ
 そして二人は甘い口づけ      かんな
の門未知への思い踏みしめて みなっち
 すんだ青空飛べ!しゃぼん玉    みんな
【ひとこと】
【この巻に一票】★全部の連句ROCKを鑑賞しました。みんなすごく良い作品でしたね、その中で私が気に入ったのがこの作品です。特に「甘い口づけ」の部分が良かったです。(朴汎桓) ★幸せ一杯の作品ですね。心が温かくなりました。第3はとてもとてもあまーいですね。生クリームたっぷりのイチゴケーキみたいな世界です。次の句は転じて春になり夢への世界になっています。青春ですね。挙げ句に「青空」と「シャボン玉」を使っていて、春らしい綺麗で澄んだ空が浮かびます。未来の夢が膨らんでいく感じがしました。(伊藤久美)


連句ROCK 「ノーベル賞の秋」の巻【おべん座】
秋深き隣は何をする人ぞ        芭蕉
 泉に映る満月の影         朴學緒
超緊張明日のデートは何着よう  小川さん
 好みが一緒意気投合ね       ニック
花束を渡され照れる田中さん     ニック
 蝶を待ってるたんぽぽの道    朴學緒
【ひとこと】 ☆グループで初めて作った句。語数を会わせるのが難しかった。でも初めての句がまあまあなのでうれしい。次の機会にはもっといい句が出来るように頑張る。(朴學緒)
【この巻に一票】★この連句が一番気に入った。(*根浩★ノーベル賞を出したのがいい。(めぐ)


7 連句ROCK 「繊月の巻      【献身座】
秋深き隣は何をする人ぞ       芭蕉
 繊月かなし風がふく音      李允慧
胸の奥姿見えねど夢で会い       龍
 そっと抱きよせくちづけたくて     颯
の道いっしょに踏もういまだけは    李允慧
 ひらひらと舞う  (蝶)を追いかけ   龍
【ひとこと】☆定型にすることは一番難しかったけど、句を作ることだけでうれしかった。(李允慧)
【この巻に一票】★この巻が良かったと思います。なんか切ない感じがしました。夢の仲で好きな人と幸せそうで良かったと思いました。けど現実はどうなんだろう?と思いました。(竹内佳織) ★一番気に入ったのはこの巻です。始まりがちょっと物悲しく、中盤から好きな人と一緒にいたい気持ちが読みとれ、最後は綺麗に終わっていると思います。展開がしっかりしているのも良いと思いました。はかなげな感じがとても惹かれました。(彩火)


8 連句ROCK 「初虹」の巻         【座】
秋深き隣は何をする人ぞ      芭蕉
 耳を澄ませばこおろぎの声   李正淑
バイト先赤い自転車走らせて     コン
 あなたの声が早く聞きたい     あい
すれちがう心と心花曇り        淑
 涙の後でかかる初虹        あい
【ひとこと】☆意外と私ってロマンチストだなっと、びっくりした。恋の句を書くと、想像するから本当に恋をしている気分になりますねー。(あい)☆人々の心がこのように美しいと世の中に悪いことはなくなるだろうと思う。(李正淑)
【この巻に一票】★脇の句は普通生活に追いかけられているときは全然感じられなかった自然の響きを蜻蛉の声で表現したのが良かったです。4の句は風は無形の事物で、あなたという人間の心の楽しみとか慰めになれる筈という感じが良かったです。(???)★全体的にまとまっていると思います。第3の「バイト先…」の句と第4の「あなたの声…」がうまくつながっていて、すごくその場面を想像することが出来、読んでいて気持ちが分かる句です。(ニック) ★まるで初恋の感じです。とても美しい連句です。涙という言葉は多くの意味を含んでいて、私の思い出を浮かばせています。 (黄一仙)


9 連句ROCK 「夢と現実 」の巻   【 霞座】
秋深き隣は何をする人ぞ       芭蕉
 に負けないパチンコ屋の灯   浅井めぐみ
からっぽの赤いおサイフひとりきり    尹汝主
 通りすぎてくカップルを見る    めぐみ
酒盛りに千年前のが舞う   好井聡美
 霞の夢を悔しがる朝        めぐみ
【ひとこと】☆全体的に夢が叶わない男の人―一獲千金狙うけど結局パチンコで全部擦っちゃったー歌みたいになった。(浅井)☆「酒盛り」で孤独から脱出してみたくて、大勢で華やかに花見というイメージ―千年前の花で平安時代の美しさと儚さーをねらった。(好井)
【この巻に一票】★霞座が良かった。身近で生活感があるのがいい感じ。みんな、なかなか面白い句が多い。現代チックな句が多い。(中村甲奈) ★ちょうど目にとまった句が多かったから選びました。特に「赤いお財布」の句が目にとまりました。今の季節貧乏なので何となく共感できました。作者は多分違う意味でつくったと思うけど。(セトリン) ★この巻がとっても分かり易く面白くて好きです。第3の「赤いお財布」がイメージ的に夜で寒そうと言う感じです。カップルでうらやましそうに見るあたりが、独り身で現実にそうだなと笑えました。独り身でさみしそうなこの人は最後まで報われませんでしたね。夢オチで終わってしまっているので。このさみしい人は男性という感じがします。何時の日か彼にお嫁さんが来ると良いなと願います。(小泉) ★この巻も「繊月」と並んで良いと思いました。この連句に独り身の哀愁を見ました(笑い)。男の人のことを歌った句とも、女の人のものとも読める句だなと思いました。(彩火)


10 連句ROCK 「恋」の巻          【座】
秋がきて人肌ふっと恋しかり  伊藤久美
 満月うつす私の心          久美
いつもそうギリギリになってあせります     愛
 結局ひとり過ごすバースデイ      愛
の香にあのひと現在は妻の元      久美
 春風そよぐ不倫は卒業       久美
ひとこと】
【この巻に一票】全体的に悲しい感じの句になっていて、大人っぽく仕上がっていると思います。(テーマは不倫?)発句は恋しかりという難しい表現を使っていてすごいと思いました。全体としては、挙げ句は春の句なんですが、季語が2つ入ってしまっているので春風と卒業どちらかを別の言葉に代えてもいいと思います。でもうまくまとまった連句になっていると思います。(小川さん)

11 連句ROCK 「春の匂い」の巻     【座】
秋深き隣は何をする人ぞ        芭蕉
 家族みんなでお見してる    竹内佳織
振りむけば子犬のチワワ舌ペロリ   ドリー
 うるんだ瞳心をつかむ         佳織
手をとりて一緒に歩くの門        颯
 春の匂に二人つつまれ         佳織
【ひとこと】
【この巻に一票】★年上の人と一緒に連句をやってもらったけど、楽しかったです。子犬のチワワがかわいくて良い、そこから最後の句までの流れが良かったと思います。(竹内佳織)これは私のお気に入りの巻です。チワワのうるんだ瞳はアイフルのコマーシャルですよね。挙げ句のさわやかさが印象的です。ほのぼのとしていて、好きな連句です。全体的には、韓国の留学生が日本人の私が思いつかないような言葉を用いていて感心しつつ驚きました。(すじ) ★この巻が一番良かったです。(秋桜祭)みんなの感想が書いてある紙に私とすじ娘のつくった付け句がのっていたのを2人してびっくりしていた。「ラクナロク」というのが何かわからない。なんだか「ラブラブ」の句が多く感じた。(まるこ) ★挙げ句の春の匂いにつつまれと、第3の振り向けば子犬のチワワ舌ペロリが、とても素敵な句だなあと思いました。(極楽院)

12 連句ROCK 「初日の出」の巻   【座】
初日の出車窓に望む家族かな      彩火
 お雑煮食べても*(オルン)になれず 吉基宅
今はもう成人式は祭りの場        小泉
 寝てる彼女はいとしい姿       吉基宅
夜半の星影含むの山        火月
 朝(あした)へ向かう佐保姫の旅    火月
      *オルン=大人
【ひとこと】
【この巻に一票】