「関西連句を楽しむ会」 芦刈の座
半歌仙「常磐殿」の巻 八木 紫暁 捌
常磐殿押し上げ匂う新樹光 |
八木紫暁 |
水を慕ひて鳴く行々子 |
岡田禎子 |
疾駆する人力車夫は茶髪なる |
星野 |
街角風景スケッチの人 |
由起 |
月天心縁に須磨琴持ち出して |
禎 |
新酒抱へし丸顔の友 |
紫 |
運動会仮装行列華やかに |
由 |
恋を囁くひょっとこの面 |
[火炎] |
誰彼と浮名は東風の風に乗り |
紫 |
テープ切れ端壁に散る |
禎 |
中国の三明治のあの美味さ |
由 |
冬の弦月通夜帰り追ふ |
[火炎] |
漱石忌飼主に似た猫の居て |
禎 |
親ばか遺伝子あなたにもある |
紫 |
湯たくさん茶くれん寺とは何の事 |
[火炎] |
首相答弁明快に済み |
紫 |
古城址花の大樹に番ひ蝶 |
由 |
ふらここ揺らす雲に届けと |
禎 |
初めての同年代の人以外との連句で緊張しました。わからない専門用語が飛び交って、季語もわからないものばかりで、「こんな事もわからないで」と自分が情けなく感じました。こんな私にも座のみなさんは親切にアドバイスをくださって励みになりました。今までは学生同士の声の掛け合いのような句ばかりしたが、これからはこういった、綺麗な情景が思い浮かぶような句がつけれるように、色々な季語を覚えて行きたいと思います。(N)
半歌仙「芭蕉堂」の巻 小池 正博 捌
梅雨晴れや芭蕉堂には芭蕉像 |
小池 正博 |
石を住まいに生うる十薬 |
日高 玲 |
ようやくにパソコン講座参加して |
加藤 陽子 |
ゲームにはまる友と仲良し |
中田 寿子 |
窓外にふと気がつけば月の暈 |
小百合 |
古代の人も鈴虫を飼う |
長谷川 鮎 |
ウ大路ゆく時代祭の御所車 |
陽 |
目尻の皺も似合うふたりに |
寿 |
猫様は夫の寝椅子が定座です |
玲 |
天気予報を当てる確率 |
鮎 |
イチローの百本安打通過点 |
陽 |
女神の髪で糾える縄 |
玲 |
寒の月触るれば割れて散りぢりに |
寿 |
骨董品に着ぶくれてゆく |
陽 |
鍵束を革のベルトにぶら下げて |
玲 |
イーゼル立てる陽炎の中 |
陽 |
故郷のあの樹のもとに花の宴 |
正 |
海渡らんと胡蝶乱舞す |
小 |
感想
八坂神社・常磐新殿で行われた「関西連句を楽しむ会」は、これまで友人達と作ってきた連句とは違い、初めて自分の知らない人、それも年上の大人の人達と作っていく連句だったので楽しむと言うよりも周囲についていくので精一杯でした。今回この連句会に参加して思ったことは、自分はまだまだ未熟なんだなということです。ですが、本当に良い経験が出来ました。ここで学んだことをこれからの連句の勉強に生かしていきたいです。
半歌仙「宮の風」の巻 稜志捌
木洩れ日を揺らして涼し宮の風 |
伊藤稜志 |
金の扇をひるがへす舞 |
中島節子 |
久に会ふ顔なつかしく集ひ来て |
伊藤薮彦 |
楽しく笑ひはづむね |
奈々 |
町並の軒下覗く居待月 |
柴田寿賀 |
茸の傘がおいでおいでと |
志 |
コギャル等はホームステイでハロウィーン |
節 |
化粧落として君を待つ夜 |
奈 |
母親も応援をする玉の輿 |
節 |
京銘菓とは五色豆なり |
寿 |
国会のテレビ中継超人気 |
寿 |
流行るエステ猫も杓子も |
彦 |
卵雑炊月を見ながら卒論を |
奈 |
マラソンランナー吐く白き息 |
志 |
北極の果てに倒れし河野さん |
寿 |
買物帰り本の立ち読み |
節 |
犬連れし同志の会釈花堤 |
彦 |
回し飲みする借春の酒 |
奈 |
八坂神社での連句の付け合いは、私の人生の中で良い経験の一つになったと思います。皆さんに、いろいろと良きご指導など親切にしていただいて、ありがとうございました。m(_ _)m私は、八坂神社の連句の付け句が行われる前は、八坂神社の連句の付け句が終わった後とは違い、連句の面白さがよくわかっていなかったと思います。京都へ行って、その事に気が付く事が出来てよかったと思いました。 |
半歌仙「梅雨晴れや」の巻 山根 於京 捌
梅雨晴れや鈍行電車の客となる |
山根 於京 |
ところどころに見ゆるあぢさゐ |
植田真而子 |
歌ひつつ友とくり出す湖畔にて |
優希 |
味噌汁の香に深く息吸ふ |
塚本 益美 |
街角のしずもり居て望の月 |
田仲イスズ |
運動会でビデオあちこち |
水野 範子 |
団栗の独楽を作るもてこずって |
益 |
リハビリ励む方麻痺の父 |
イ |
すれ違ひウィンクされて知らん顔 |
優 |
彼の名前で猫を呼びたり |
而 |
視聴率アップ国会真紀子さん |
イ |
神頼みとは今も昔も |
而 |
月凍る車庫に凛とすリンカーン |
益 |
鳩一撃し去りてゆく鷹 |
範 |
なごやかに八坂の森で連句する |
而 |
リクルートスーツで御挨拶 |
優 |
ライト浴ぶ花は浮かれてさわぎ出す |
範 |
秘蔵の杯に蝶を止まらせ |
而 |
今回、初めて本格的な連句を体験しました。何もかもが初めてづくしで、座の皆さんには大変迷惑を
かけた気がします。そしていかに自分が作った句が、拙いかということが分かりました。他の皆さんは、上手に転じたり付けかけたりと.ーー。 でも年輩の方が多かったため、年齢差を感じました。少しびっくりしました。しかし、それ以外は勉強になったと思います。 今回、大人の人達と一緒に連句ができてとてもよい
体験ができました。( S)
半歌仙「京の若竹」の巻 澁谷 盛興 捌
鐘わたる京の若竹弾みけり |
澁谷 盛興 |
くつろぐ川床結ぶ夏帯 |
田村 昌江 |
里心立つは嚔ひとつにて |
善 栄子 |
メールで出来た顔知らぬ友 |
亜佐子 |
廃坑をくっきり映す月の影 |
高橋三千子 |
鬼も目を閉ぢ鈴虫を聞く |
未那 |
大釜をクレーンに吊し芋煮会 |
興 |
幼なじみの揃ふ顔ぶれ |
昌 |
元カレに似た君射んとアタックし |
栄 |
ハネムーンはゴーギャンの島 |
三 |
遥かなる海を見つめるモアイ像 |
未 |
鉄人達のひびく足音 |
亜 |
枯草に野良猫丸く月細く |
昌 |
氷柱ねむれる闇色の中 |
亜 |
衣より刃見えねど女の大臣 |
栄 |
腕なる古語のこる僻村 |
三 |
キャンパスは花よ蝶よとさんざめき |
興 |
新歓コンパここちよき酔 |
未 |
いつもの調子でつくろうとしていたら、おちゃらけは通用しなかったっぽかった(笑)
自分の言葉の使い方の未熟さや、知識の少なさを知りちょっぴりへこんだ。
しかしそんなことは気にせず新しい言葉を使っていい連句がつくれたらよかっ!
っと開き直ることにした。自分の個性を生かすことも大事にゃり☆
うーっ また我が道を進むドリー。これからもがんばるなり(M) |