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地域や・新聞の付け句愛好者と学生たちが出会いました。 「市民キャンパス連句まつり」が今年も桜花学園の大学祭(秋桜祭)で開かれました。今年の付け句も、中日新聞コラム「付けてみませんか」と共通前句です。(横顔の君に今日こそプロポーズ)への新聞応募付け句千数百句から382句、学生句50句を見ていただいてから来場者から当日付け句。当日付け句は4年ゼミ生、3年ゼミ生からも出題。連句体験コーナーでは、尻取り連句が134句もつながりました。酒恋半歌仙は3巻。歌仙も2巻。一般のお客様、新聞付け句県内の連句人、学生に、卒業生、高校生、中学生も加わり、楽しい世代交流でした。二日間来場のお客様、インターネット参加のお客様のべ350人。ご参加の皆さまありがとうございました。来年は名古屋栄キャンパスと合同でビッグな全国大会予定です。乞ご期待!(矢崎藍 桜花学園大学教授) |
■付け句コーナー
今回前句作者は東京の付け句愛好者。この五七五句に七七句を付けます。来場のお客様、学生たち、新聞付け句のかたも、お話しながら、投句追加。会場のプロジェクターで、二つのスクリーンに映されたインターネット画面にも各地から付け句が入り、短冊が増えます。多数の句の中からここではおひとり一句掲載。トップの小町さんはアメリカから投句です。
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(横顔の君に今日こそプロポーズ ななしげ) ナイルの流れ悠久の刻 小町 赤は顔顔ドキは胸胸 おはぎ FBIは美味しくないよ ハンニバル 想いの数だけ薔薇の花束 はんるい 幸か不幸か明日が勝負 セトリン 薔薇を一輪買ってください みのり この泣きぼくろそっと隠して 桂 聞かれぬように深呼吸する のら もう幾度目の決意だろうか 草笛奏 点から線に玉の汗かき 節子 止めて見せるぞ連敗記録 文子 草の紅葉も僕にあとおし 益美 ホットケーキに『スキ』と書こうか みのり 面倒見ます四人の老後 近藤富子 遠距離の恋ついにピリオド 小晴 白帆小さく滑りいる海 紫 暗記している恋のマニュアル ミャーママ |
(横顔の君に今日こそプロポーズ ななしげ) しっぽがあればきっとちぎれる なるとみや 雨も妬くのか水差しに来る ひわ 涙たくさんキスもたくさん ごん 誤操作防止キイをオフにし 慶子 誰にあげよか通草熟れ頃 敏女 みかづきよりも輝く姿 よしの 裏通りの店おでんぐつぐつ 渥子 いざとなったら公的資金 みの虫アッパ 嘘と知り聴くラストダンスに 千寿 いつか正面みつめるために 楓 うすら笑いのフルムーン旅 笠井保弘 見上げてみれば松の実ぽっくり あーどうしよう 暖炉はすでに赤々と燃え 静 コスモス色の思い溢れて ドリー 歳甲斐も無く冷や汗をかく 名無しのごんべ 孫が見たいとウルトラの父 眠り猫 バラの香りをそっと届けて 桜の実 ジュゲムジュゲムと魔法をかける 芙美 引揚船の窓に繊月 渥子 異国嫁入り人形大使 ぼんにゃん ルノワールかなっと考える人 牛 鉛筆二本転がして吉 芳梅 三十余年をあたためた恋 福井直子 目隠しされし手に覚えあり 守枝 眠りを覚ます熱いキスもて ひまわり 汗かきべそかき頭掻き掻き 然 新幹線よもっと早よ行け 渥子 アームチェアに揺れる青春 ぼんにゃん ひざの子猫の耳ピクンとす ななしげ 缶酎ハイはもう十杯目 道草 飛び出しそうに踊る心臓 ひわ 愛の鎖にしばりしばられ 目吉 自棄酒(やけざけ)の末終電逃す ひろぶみ |
■ 文学表現授業クラスの句
韓国又松大学日本語学科からの短期留学生もがんばってます。
(横顔の君に今日こそプロポーズ) いっしょに未来歩いていこう めぎ 秋の小雨は別れ知らぬや 韓雄熙 しかし彼には奥さんがいた 吉基宅 指輪をあげて未来約束 朴學緒 降る雨粒は天のお祝い 張成晋 雨に濡れてる淡いコスモス 好井聡美 youの前では何も言わずに 朴汎桓 未来のために共に住みたい ベクンホ よく考えた心が揺らぐ 兪珠蓮 その姿には俺の涙がーー 尹汝主 |
(横顔の君に今日こそプロポーズ ななしげ) 突然見える黒いにきびが 李正淑 心臓の音聞こえちゃうかな まるこ また日が暮れてカラスが鳴いた 彩火 夜の庭園月光浴びて 小泉隼人 彼女に似てる花束持って 黄一仙 めぐみとわたしどっちをとるの 前川愛 アイウオンチューとアイニードユー めぐみ あっち行ってよやじうまニャンコ すじ 光る雫(しずく)はうれし涙か 彩火 彼女の瞳眩しい日ざし 鄭文成 |
■新聞掲載句からもご紹介 中日新聞 (10/23〜12/11)東京新聞(10/22〜12/10)に計6回掲載から。 作者は愛知・三重・岐阜・静岡・滋賀・京都・福井・長野など中部圏に西は島根県まで、東京・神奈川県筆頭に 関東地方全域です。 |
(横顔の君に今日こそプロポーズ) 風花が舞う山門の下 れい なんでこんなに邪魔なプライド 聖子 携帯メールに一気入力 麓 天金木犀の香る公園 加藤直子 露草の陰リリリリリーン 茶子 終わりにしよう一人ぼっちを 草笛奏 両手のひらは汗でびっしょり 寺さん 胸の鼓動はヘビメタしてる 樋田和子 彼女のひざの猫がじゃまっけ 古谷禎子 きっと受けるぜ俺はハンサム 山崎優一郎 ダイエットした僕を見てくれ 桂丸 俺も変人ノーベル賞が 伊藤千敏 仕事決まってアパート押さえ 中島和子 帰りに歌った「明日があるさ」 安達恒明 ワタシはヒラメアナタはカレイ みの虫アッパ コスモス街道ペダル漕ぎつつ 青木ふさえ ぼくのこころはもうウエルダン 服部ひふみ 一週間後に迫る転勤 直 決意も固くしめるネクタイ 犬飼晴美 メールをやめて僕の目を見て ゆうメイト 満天の星聞き耳を立て 水野雪春 OKサインはまばたき二つ 井上純子 並んで見てる一本の道 マリー 指輪の値段三ヶ月分 極楽院 世界にひとつビーズの指輪 加古敬子 さらわれてきた国の厳寒 松尾 命あるなら会わせておくれ 天野収一 祈るミサンガぷつりと切れて みち 遙かに拝む産土の神 翠川与三郎 きりりと冷えた晩秋の朝 ひわ 幼馴染みの初恋どうし プルート ままごとの妻再度わが手に 守枝 あなたのものが増えていく部屋 近藤富子 できちゃったのと言われる前に 正木克彦 お腹のベビーも聞き耳をたて 松山みわ 遠距離の恋ついにピリオド 小晴 離婚訴訟に決着ついて まりこ シニアグラスの目もとうるうる 大畑杉子 テロが起きては遅過ぎるから 加藤美比古 |
(横顔の君に今日こそプロポーズ) 不良債権処理したからね 落第芋利 青い鱗も牙もすてきだ タヌ公 銀杏並木に日差しがそそぐ akko ボート漕ぐ手をしばし休めて 村井礼子 靴ひもむすぶ秋の山路で 島田静枝 髪は時雨にしっとりとして R 頼む色よいファイナルアンサー 三子 止めて見せるぞ連敗記録 文子 親子綱引きオレにまかせろ 順 結納金はタンスにあるよ 田淵義明 ジジババ付きの庭付きの家 塚本益美 リストラされて飯は食えぬし 原田つとむ パラサイトやめ主夫もいいかと イレブン 老いの輝き夕映えの人 小林きね 落ち葉の中を杖二つ往く 杉原哲哉 始まりはあの筋雲の秋 濃空 秋の白光ロープウエイで 土屋ミツ子 あいうえおあおあとは度胸さ 尾羽半 紅葉の山を三周りもする 中山康博 真珠のピアスゆれる耳元 池田志満子 メールの先の相手は誰だ 三島園子 どうか昔の恋を忘れて あざみ やっと座れた隣の席で 夏蝉 お友達からお願いします 奥田尚史 ラブラドールに柴犬の僕 洋一 大笑いしてやがて悲しき 木村れいみ まだ夢に出るミセスの彼女 モモの木 片割月の白々とあり たつ子 赤信号で止まる度ごと 嘉男 雨の中でのテニス練習 ナオコ 風が冷たい波打ち際で 沢律子 寝呆まなこでポスターにキス ロボット五等兵 ハゲおやじにはなりませんように 三木晴伊子 あのころメロンいまは渋柿 ヒサコ 時の流れに山茶花の咲く いぶき 幼馴染も共にバツイチ 平野忠宏 真っ赤なコートとても似合うよ 神谷小百合 末っ子かたづけまた二人から 福岡布士江 届かぬ返事いついつまでも 稲垣ノブ子 小石がゆらす水面の紅葉 ふさ子 静寂一瞬光あふれる 眠り猫 満員電車でガードをしつつ 誠資 女性車両に男プンプン 山内鐐造 通勤ラッシュわっと呑まれる 宮本和典 その髪その目すべて私の 水谷三和子 式も旅行もワタシのいいなり スギ 大人の恋のブラック二杯 平松由美江 点滴交換タイムリミット まみ シュプール二本描いて降りて みずほ 落葉踏む音遠ざかりけり 梅原昌子 落葉を鳴らし急にかけ出す おけい 独りが辛いクリスマスイブ 増田正 わたしを魔女に変える月光 ゆふ子 4歳だけど本気なんだよ もっちゃんふうちゃん オマケ 長いまつ毛はきっと本物 藍 |
■学生出題句への付け句コーナー 4年・3年ゼミはインターネットで学生BBS付け句を主宰しています。この祭りでも前句を出題しました。各数十句ありますが、ここは一部掲載でお許しを。
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●夜に咲く君の隣に寒椿 ゆりな(4年) (七七句を付けて下さい。甘い句ありがとう) ほとりと堕ちて白い白い闇 んにゃ 死因は孤独加害者は僕 カンちゃん 地に伏す刹那息詰めて待つ 高野 少し疲れた小父さんで居る 美比古 日の出まちまち達磨な私 京 響く鼓動に想いをのせて 彩火 恋に落ちれば命くれない 誰? 澄んだ瞳に真っ白な息 花音 ひとりはイヤヨみつめていてネ マコ 甘い痛みを胸にひそめて ゆい ●ツリーのてっぺん星が見ている なるとみや(4年) (七七句を下さいー) やってくる僕のうちにも赤ちゃんが 小晴 連れてきて私に彼をサンタさん!!! えりりん 甘い声男は弱い世の中は Rie プレゼント先に開けたのすみません ニック いやんえっち見ないでっていったでしょ名無し まちがえた!五百数えたタタミの目 すじ 見られてる君の行為は見られてる ヨッピー 雑踏をケーキを持って足速に 花音 ● 人の顔いろんなマスク付け替えて樹(4年) (七七句を。うーん。意外な句が多かった) あまり替えると自分が消える 小泉 柿にもあるよ甘いの渋いの マコ 面接官に向かった私 ベルちゃん 彼に見抜かれはずれた仮面 えりりん 遺伝子クックと笑いこらえて 茂翁 島谷ひとみ君になりたい ニック&ニック 心清らな人悪い人 タイガー 八方美人?多重人格!? 京 まさかあの人蜜柑泥とは 良風 素顔をかくし気持ちもかくす せんな 今日はどこ行く明日はどこへ 進 整形したのこれでも私 Mr.オクラ 落葉にもある裏と表と 節子 ● 月は見ていた二人の世界 龍(4年) (七七句を。 ) 教室に二人居残り宿題を ちえ カーテンをしめて電気を消したった 太郎 夜10時あなたの息がふきかかる ヤル 永遠の命棄てられ燃える富士 高野 送られて送っていって夜明けまで 小晴 富士山は煙もこもり帝まつ 亨 |
いつまでも語っていたい向きあって マコ 嬉しくて思い出せない過去なんか かずちゃん ● ごまかして笑っているのはもう終わり 颯 (七七句を。 ) 十年あとに会うえんま様 名無し ホントの正体バレちゃうかもね まるこ 誰が食べたの私のおやつ ニック&ニック 人生行路ゴールが近い 美比古 年を考え決断するわ チカエ 若くはないの本音できくわ マコ にらめっこして君に勝たせる ちえ 取れたつもりの単位落として はな ● 青時雨泣いてはだめよと降りかかる ドリー(4年) (七七句を。 ) 黒曜石のひとみ麗し んにゃ 彼ひとまわりして戻るから 美比古 たくさん泣いて笑顔にもどる マコ 母さんの留守一人待ってる だーれ DEENのCD探す毎日 京 秋篠寺へと続く参道 節子 でもねでちゃうのおんなのこだもん 名無し 覚めて寝なおす初恋の夢 はな ●授業中コソコソ話す君とぼく ニック3年 (七七句を。笑っちゃう句が多かった!) 明日は休みだどこへ行こうか ボブ どんぐり帽子仲良く揺れて どりぃ きをつけろせんせいぼくをねらってる マキト 二人のまわり気温上昇 小泉 今日の寄り道どこにしようか まるこ 先生知ってる靴下の穴 李正淑 使うのはペンと小さな紙片 彩火 男同士で愛をささやく 吉基宅 勉強よりも友情だよ! 張成晋 あの先生はきっとヅラだね すじ ●片道切符で行く冬休み せとりん 3年 (七七句を。 ) 弁当をベンチで食べて時間待ち えりりん そっけない電話の確認するために 颯起 がんばって作ったみかん完売し セト子 月あかりノイズの世界離れゆく 颯 二人きり下心あり泊まり宿 せえな 憧れの「はこだて」目指しいざ出発!!おゆ 寒いのも今のうちだけお正月 京 ツンドラを駆けて犬ゾリ極点へ 小晴 紺碧に星屑散って冬銀河 どりぃ |
■連句体験コーナー
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「尾をつなぎ」の巻 捌 間瀬芙美他 発句 尾をつなぎ狐とおどれ秋桜祭 藍 脇 いのこづち付け戻り来る子ら 桂 3 ラジオから幼馴染の投稿がみの虫アッパ 4 がらがらぽんと大当たり出る 利子 5 留守番の亭主尻目に舞い上がり 美比 6 リーんリーんと電話なる音 芳梅 7 大人しい彼の一声待ち通し アッパ 8 知らないだろうこの心もち 亨 9 茶番劇踊る二人に秋の月 美比古 10 キリマンジャロといふコーヒーを茂翁 11 思い出をたぐり寄せてる揺り椅子で 桂 12 でんでん虫ものんびり昼寝 美比古 13 ルネッサンス中興の祖輝いて アッパ 14 手拍子揃ふころも連衆 良風 15 十代のファンに囲まれ上機嫌 芳梅 16 現代っ子も恋には純情 眠り猫 17 嘘だって知っていましたそんな事アッパ 18 琴の調べに寄り添う二人 イスズ 19 リムジンに乗ってみたいな死ぬまでに 保弘 20 虹色のシャツよく似合う妻 芳梅 21 まあ大変殿と腰元乱心だ マキト 22 大仏様もおかんむりだよ みよこ 23 よろしくねおいらはここの住人よマキト 24 ようかい襲うまちかど注意 セトリン 25 井の中の蛙がここに潜んでる マキト 26 出る出る玉がハマるパチンコ 亨 27 コーラスの歌声ひびく文化祭 芳梅 28 いなしてやれよ我母親や 亨 29 山越えをしようとしたら遭難しセトリン 30 しっぱいばかりありがちなわなマキト 31 夏休み電車にのってどこいこうセトリン 32 海へ山へと卒論進まず 洸 33 西瓜割何回やっても当たらない セト 34 色々な人ここに集まる マキト 35ルーマニア一度行こうと思う君 セト 36 見すてないでと追っていく彼 誰か 37 霊視して壁のむこうの猫を見る 慶子 38 ルーレット族が走る首都高 楓 39 宇宙への観光旅行もうまじか セト 40 風はなくとも旗がたなびく 洸 41 苦しんで苦しんでいる五七五 持留 42 こうしていると時間わすれる マキト 43 ルンルンと笑ってつける連句かな セト 44 なくしてたもの見つからないよ極楽院 45 夜空にはシリウス光るきれいだね 々 46 ねつ造ばれて後のまつりに 楓 47 にこごりは母の好みし鮃なり 茂翁 48 リズムにのれんこりゃだめだぞ かえで 49 ぞりぞりとヒゲそる彼は朝帰り 芙美 50 リスボン育ちのあの伊達男 茂翁 51 困ったなどんどん俳句出てくるゾマキト 52 ぞっこんほれた後ろ姿に アッパ 53 ニンニクの香り気になるキスの前 芙美 54 エエじゃないかとおかげ参りを 茂翁 55 をとめらは沐浴をして神の子に ときよ 56 ニタリクジラの姿悠々 アッパ 57 生の親育ての親の恩ほかし 茂翁 58 しめたしめたと遺産相続 良風 59 クソくらえ回る家などいらんわいアッパ 60 一度はためすサマージャンボ みよこ 61 ボス猿の名はゴンタロウ狂暴で 茂翁 62 でですけほうーと鳴いている鳥 慶子 63 律儀者子沢山なりお人好し 茂翁 64 獅子奮迅の夜の営み ど 65 みつめあいかわす言葉はなにかしら 楓 66 ランプのともる温泉の宿 芳梅 67 ド素人知たり顔して恥をかく アッパ |
68 首を洗って待っている夜 茂翁 69 るり色の器で一杯おある酒 アッパ 70 けんかしたってすぐ仲良しに 茂翁 71 苦虫をつぶす親父前にして アッパ 72 テストテストで頭ぼんやり 茂翁 73 リンゴ食べふるさとの母思い出し 空蝉 74 しんしんと降る雪うつくしい わび太 75 いままでは亭主と立てていたけれど 茂翁 76 ドスをきかせて手切金とる 茂翁 77 ルンビニは仏の里かはるかなり 茂翁 78 理想追いつつ現実的に アッパ 79 似た者が抵抗する永田町 わび太 80 うなぎするりと逃げる幸運 利子 81 運転は安全確認充分に 茂翁 82 煮ても焼いても食えはせぬ奴 空蝉 83 吊り橋を揺らして渡る離れ猿 アッパ 84 留守番おらぬ家をねらって 茂翁 85 手伝いをすっぽかしおり悪童は アッパ 86 はらに一物持たぬさがなり 茂翁 87 リビングに寂しさばかり降り積むも 奏 88 木蓮の花香り豊かに 芳梅 89 にんまりと秋の食物楽しんで HIRO 90 電話をかけてみんなさそおう ちえ 91 応援歌肩組み歌う五十代 芳梅 92 いつかの顔がよみがえるよね みか 93 ねたら死ぬ地獄の行軍2夜3日 大井Z士 94 かすっただけか日朝交渉 上田 95 小学校昔の思ひ胸に秘め ヒロ 96 目からあふれる悲しい涙 ちえ 97 ダメダメも好きのうちだよ誘ってよ 上田 98 予感がしたよ君に恋した ちえ 99 たのんだぞ年金制度我の手に 上田 100 ニコリ微笑むあなたにむけて ちえ 101転々と愛の遍歴重ねきて ひまわり 102 手紙に託す想いよ届け ちえ 103けりとばすあなたの顔は見たくない ヒロ 104 生きてく手段手に入れたから 楓 105ランドセルちいさい頃を思いだす 今泉 106 スカイブルーの空を見上げて ちえ 107敵陣に流れるリリーマルレーン K子 108 レーンコート着た刑事コロンボ 節子 109簿記習い再就職にそなえよう 文子 110 養子に来てよやさしくするから とみ子 111からっ風ふく坂道をランニング 芳梅 112 グー.チョキ.パーで孫と遊びぬ 益美 113ぬいぐるみ抱いて眠る夏の午後 奏 114 こまったもんだ五十路の夫 とみ子 115とりあえず書いてみようか五七五 神田 116 ごうじょっぱりのいごっそうです 節子 117好きだったでも今はただ見てるだけ 益美 118 けんかしたあと深まるきずな あやの 119何番だ?裏から付ける一ばんめ 京 120 目印にする赤いスカーフ ひまわり 121複葉機砂漠の空にかき消えて 122 手のひらほどの穴からながめ みか 123めずらしい虫を見つけて事典取る なるとみや 124 ルビを振らなきゃわからん言葉 深 125場あたりでいつもあなたは悩ませる芙美 126 セル画の中の色に見とれて 芳梅 127天高くパンダも踊る秋桜祭 のら 128 一輪の花音を奏でて 樹 129手の中に十円玉を握りしめ ひまわり 130 しめった靴をひきずって行く 芳梅 131いくつもの峠を越えた老夫婦 のら 132 付録のおもちゃ今はお宝 美恵子 133カラカラと笑うあなたは女学生 バビ 挙句 せいいっぱいに生きて歓声 みんな お子さんお孫さん連れありカップルや男子学生連れ、笑いのたえないテーブルでした。 |
■酒恋連句
お酒と恋だけの句で作る連句です。そうとう酔っぱらってしまいますよー。(もちろん大学食堂なので禁酒です)なお、ここは「半歌仙」という18句の連句の形式で巻かれました。(月の座、花の座もあります)今年は3巻もできました。 |
酒恋半歌仙 コスモス祭の巻 捌長坂節子 発句 秋桜祭胸はちきれそう乙女達 杉山壽子 脇 付句ワールド月映す盃 利子 3 薬指もうはずせないリングして 良重 4 姉恋う人が忘れられない 節子 5 ほろ酔いに乱れた君を抱きしめてユッピー 6 二人で眺めるイルミネーション 益美 7 手をつなぎワイン片手に旅の果 とみこ 8 湯気の向こうに白い肩ゆれ 文子 9 縄のれんくぐる楽しみ美人ママ 益美 10 時折見せる影のある笑み 奏 11今じゃもう私の方が酒量ふえ 文子 12 五十路の女口だけ達者 とみこ 月 凍て月についてゆきますどこまでも 益美 14 ちびりちびりと熱燗をくむ とみこ 15愛娘嫁ぎし夜のそぞろ寒 奏 16 宅配便で届く草餅 ますえ 花 猫だいて花のトンネルくぐりぬけ ますえ 18 青空へ舞うふうせんひとつ とみこ 酒恋半歌仙@秋桜の巻 捌 長坂節子 発句 秋桜の花粉をつけて指切す 茂翁 脇 杯かたむけて仰ぎみる月 節子 3 猫追えば裾の乱れが気になって 良重 4 私の心知っている風 慶子 5 気がついて目ざめてみたら店じまいミーコ 6 今日から始動自由なる僕 利子 7 横顔の君に今日こそプロポーズ ななしげ 8 三口飲ませばほろり抱かれる ときよ 9 つなぐ手に血潮とくとくまじりあい 節子 10 メチルかエチル爆弾酒干す アッパ 11真っしぐら振り返え見ればレッドゾーン々 12 膝まくらして徳利ころがす 節子 月 鼻につく彼の仕草も月の径 京 14 あの子どこの子似たうしろ影 美比古 15熱燗のさしつさされつ拉致話 イスズ 16 再びの春母と散歩す 眠り猫 花 花びらを散らす盃妻の顔 美比古 18 唐子と胡蝶九谷の大皿 真 |
酒恋A夕化粧の巻 捌長坂節子
発句よこしまなひらめきもあり夕化粧 茂 |
■歌仙 連句といったら伝統形式36句の歌仙です。ベテラン連句人の捌きで、初心者、学生も式目作法を教わりながら2巻が巻かれました。 |
歌仙「さくらもみぢ」の巻 捌 近藤蕉肝 発句 蝉鳴きし陰は桜のもみぢかな 近藤蕉肝 脇 鯖雲遊び覗くキャンパス 稲垣渥子 3 父と子はボトルシップに月入れて武村利子 4 右へ左へ揺れる発言 みの虫アッパ 5 地下街のコーヒー店の氷旗 高橋良風 6 こげる香りに汗がひっこむ 熊沢京 7 独り旅厚顔無恥の未成年 アッパ 8 鼻クソまるめとばしっこする 竹内茂翁 9 筒井筒溝板ふみし仲だもの 利子 10 恋が愛へとかわる一瞬 矢崎藍 11昨日まで描きし肌の温かさ 草笛奏 12 あっちこっちに脱ぎ散らす足袋 正木克彦 13雪下ろし終えればすでに月上る 桂 14 浮世の憂さも融けて流れる アッパ 15ミルクティミルクが先でお茶があと おはぎ 16 喫煙席を捜す客人 柿本時代 17車椅子ゆっくり漕いで花の門 長坂節子 18 名もない駅に巣箱古びて 黒木美代子 19祖父母らの集団就職孫知らず アッパ 20 宇宙への夢朝ドラになり 桂 21鶏の刻告げてメールの鬼が寝る 奏 22 岩となるとも灰となるとも 同 23もう二度と離れないわとしがみつき 芳梅 24 幸せ探す夕焼けの浜 間瀬芙美 25ビアグラス透ける光がえがく線 みのり 26 御手指し賜う千手観音 利子 27命より重い科などあるものか 奏 28 閉じ込められた劇場の中 のら 29故郷の常盤の松は月にぬれ 韓雄煕 30 軒の燕もはや帰りゆく 加藤治子 31からすみを酒にくぐらせ焙るだけ 小晴 32 心しみじみ亜紀の舟唄 深津明子 33ゴンドラが水の都を遡行する 永坂博美 34 春光の中幻の城 近藤優希 35はらはらと淡き追憶散らす花 福井直子 36 足助の町に飾る土雛 由川慶子 平成十四年十月二十六日起首 十月二十七日満尾 於 桜花学園大学 蕉肝さんは日中連句研究会会長の近藤正成蹊大学教授です。韓国学生も仲間入りで、いい句を 作りました。 |
歌仙「秋桜」の巻 捌:谷本守枝 高橋良風 |
■展示 ▼日中連句研究会作品5巻と研究会報告 |
ホームページ矢崎藍の連句わーるど http://village.infoweb.ne.jp/~megitune/ |