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【比較文化学科3年次(2000)総合演習T】
T地球連句シンポジューム報告 ゼミ東京旅行10月6日・7日
◆国士舘大学ー桜花学園大学交流連句会 ●イリーナさんとの座  ●葛さんとの座 
◆地球連句シンポジューム参加  地球連句シンポジューム 
U作品 ◆ゼミ作品◆韓国研修旅行  ● 旅行歌仙2000韓国研修旅行
【比較文化学科4年次(2001)総合演習T卒論 U 祝卒業 はるちかしぜみのなかまとはなれゆく冠

V国民文化祭ぐんま2001 文芸祭 連句大会で半歌仙「イルボン」の巻が受賞。表彰式に代表3人が行ってきました。


韓国又松大学日本語学科4年生が。
2000年後期、短期留
学生として桜花学園にきていました。
日本文化のうち、連句に興味をもち、
藍ゼミに合流。4月に帰国するときゼ
ミでお別れパーティーを開いた記念
の作品が「イルボン」(日本)でした。
表彰式には韓国から招待されて、飛
んできました。

表彰式前日、懇親会で、若い
代表三人のスピーチは全校連句
人から大きな拍手と声援をいただ
きました。
  応募数810巻より 大賞部門4位
 群馬県議会議長賞 近松寿子 特選
              富田昌宏 秀逸 
              伊藤稜志 入選
 半歌仙しりとり「イルボン」の巻 
                捌 朴槿恵
伊吹山はるかに白い雪の     美香
   しこむ光匂う寒        きよみ
 国より兄貴の便りひきだし   塁子
  ックネームの数が十      利恵
 休みタウルの姿まぶしいね    槿恵
  の波間を鳥が横切       英里
守番のさみしい思いくりの味      香
  らしまどわし恋のかけひ      み
つけて傷つけられて成長       利
 宝焼の窯の高            み
なげよう最先端のEメー       香
 ームメイトと楽しめた日       槿
ビンバでビール片手に月の宴     利
 側で見るナイター中継         英
つからかストレス性の胃潰      塁
 るうるしてるゼミの先         英
ルボンの思い出は降る花の    槿
 面電車に暮れかぬる都市     塁
 平成13年2月6日首尾 於 桜花学園大学 
*タウル(月)*イルボン(日本)ビビンバは
ハングルでも表記。
 V  祝 卒業

冠付半歌仙 「離れゆく」の巻 捌 衆議判

近しゼミの仲間と離れゆく     利恵
 ープ描いて冬空の鳶         藍
球いま漆黒に浮く碧玉に        聖
 あちゃんどこへ?ちょっとそこまで はんるい
んみりと井戸端会議栗むいて     美香
 戸物市に登りゆく月         英里
ゼットをコスモス畑の脇にとめ     利恵
 ん気な彼とせっかちな恋        藍
刀をたしなむ女で良いですか       聖
  滅的な未来予想図       はんるい
っさかさまバンジージャンプの叫び声 美香
  ンネル抜けてドゥモの街角     英里
スタ食べキャンティをつぐ月涼し    利恵
  きの壁に集う神々           藍
金術政治家秘書が北叟笑む      聖
 っくり進む自分の足で      はんるい
遠なる絆を花に托すらん       美香
  つくるレンゲ・タンポポ       英里

平成十四年一月二十二日首尾       
 於桜花学園大学ゼミ研究室


 →国士舘大学ー桜花学園大学BBS(暗証番号必要)  
比較文化学科3年(2000)総合演習T 2000年度 「総合演習iT」3年生は2年次ですでに講義、研修旅行などで、韓国学生との連句経験もしており、国際連句の可能性についてのレポートも書きました。折から2000年10月6日には東京の国士舘大学で「地球連句シンポジューム」が開かれ、めぎつね藍もしっぽにブラシをかけて提言講演、シンポに出演。5ひきの学生きつねも、ゼミ旅行として研修に参加しました。学生BBSのakkoさんのご縁もあり、国士舘大学との交流も実現しました。 
←さすが東京だ。名古屋でまだ売ってなかった新発売のクーが自販機で買えた!国士舘大学の構内で記念写真。(因みに帰ってきた翌日にはこちらでも売っていた
 
◆地球連句シンポジューム報告(2000年10月6日・7日) 
T 国士舘大学―桜花学園大学交流連句会
 ●  ロシアのイリーナさんとの座    美香 
 10月6日(木)東京へのゼミ旅行一日めは先生(矢崎藍)ほか5人、世田谷線のレトロな電車に乗って、午後1時半に国士舘大学10号館413演習室に到着しました。
私たちの座にはロシアの留学生リストーバ・イリーナさんがはいりました。

  連句14「クロワッサン」の巻  捌 全員

発句 栗むいて日露連句を始めけり     美香
脇  クロワッサンの月がほんのり    イリーナ
3 珊瑚礁のぞけば魚が群れなして     利恵
4  二人の恋はきっとはてない        英里
5 フルートの響き指輪が輝いて        香
6   「昔は違う」 母の口癖          利
7 留学の背身にしみる寒い夜         イ 
8  卒論テーマ決めて発進          英
9 オリンピックメダル以上の感動を      香 
10  風を待っているヨットハーバー       利
11 空港の到着ロビーのプラカード     大介
12  におい袋は友のお土産          英
花 花が散る散る散る娘道成寺         イ 
挙句 ウォットカ挙げて春のカンパイ  全員
  2000年10月6日首尾 於 国士舘大学
 
2時から5時半「わお、できたー」 
   脇の月の句にイリーナさんが三日月と言う意味でクロワッサンを出してくれました。国際連句ならではの言葉です。こういう出発のおかげで、このあとも全体にきれいなイメージで連句を巻きあげることができました。イリーナさんとは、句の言葉を話し合ったり、簡単なロシア語を教わったりもしました。国際連句では相手の国の生活や、思いがけない考え方が会話に出てきて、まさに異文化の勉強です。また句を理解してもらうために、私たちがふだん使っている日本語を改めて辞書でひいたりするので、日本語の内容を深く考え、ボキャブラリーを増やすことにもつながります。
 イリーナさんと巻いた私たちの世界でたった1つの連句を、翌日の地球連句シンポジュームの舞台で発表できてうれしく思います。 これまで私たちは韓国の留学生との連句も経験しました。また機会があればいろいろな国の方と連句を巻きたいと願っています。(み)

   ● 中国の葛さんとの座   はんるい
私たちの座の捌きは国士舘大学卒業生の内山さんです。中国の人ともですが他大学の同年代の人と巻くのも初めてです。でも内山さんや古野谷さん(中国文学科4年生)とは事前にインターネットで話していたのであまり緊張しませんでした。
連句14「地球連句」の巻  捌 明子

発句 国士舘地球連句の秋うらら      葛 
脇 真珠色した上弦の月       聖きよみ 
3 乗換駅湯気につられて栗買って はんるい
4   はずむ足どり口ずさむうた     明子
5 光子さんおらさの嫁になってけろ     は
6  二人で暮らす世外桃園         葛
7  青嵐民衆たちよ立ち上がれ       明
8   いっそ猫の手借りてみようか     聖
9 流行の店はどこでも大にぎわい     明
10  それは私の!これも私の!!       聖
11 窓の外いくつも並んだ雪だるま    は
12  子供喜ぶブランコ遊び         葛
花 手をひいて歩く道々花の咲く     大介
挙句 風のいたずら春の夜の夢        は
  
2000年10月6日首尾 於 国士舘大学

  
 捌きよりもうっぱいいっぱいでした。
捌き初めてだったんですが、本当にあんな
んでよかったんでしょうか…。個人的には月
の句と「光子さん」の句が好きです。

 
 
葛さんの発句は立派な挨拶句です。脇は聖さんらしい不思議な世界です。三句めの私の句の栗は、この日豪徳寺で乗り換えるとき先生がゆでたての栗を買って、ちょうど皆で食べていたのです。(とても美味しかったです)
昨年韓国留学生との連句の時にも感じたのですが、日本語が上手な葛さんでも、句の言葉を理解してもらうのには苦労しました。例えば「はずむ足どり」は、明子さんが立って歩いて見せます。「光子さん…」の句が訛りでおどけていること、「猫の手をかりる」ということわざも三人がかりで説明しました。
 一方、「世外桃園」という中国の楽園という意味の言葉が「おらさの嫁」の句に付いたのはすばらしいと思いました。(翌日の発表ではここは中国の発音で葛さんに読んでもらいました)古谷野さんは中国文学科の卒論の中間発表があり、終りころにみえたのですが、まず向こうの座に一句付けて、こちらの花の座もお願いしました。5時になって夕食の場に移動してからですが、繊細な句が付いて驚きました。実は思いがけなくてつぎの挙句は苦労してしまいました。国際連句というすばらしい経験ができたのですが、自分としては、情緒的な句が苦手だし、言葉についてその他、勉強不足を痛感しています。(は)

U 地球連句シンポジューム      (きよみ) 10月8日「地球連句シンポジューム」会場は昨日と同じ国士舘大学。朝10時開会。午前中はルーマニア俳句協会のイヨン・コドレスク会長による「連句――共同で作る詩」アメリカの俳諧研究者ウィリアムヒギンソン氏の「世界連句における季語」、中国の許耀明北京大学助教授の「聯句と連句」の講演。午後は矢崎藍桜花学園大学教授の「伝統から未来へ」と題する提言から始まって、国士舘大学福田真久教授のコーディネートで、上記の出演者の討論となる。
世界のあちこちで連句をしていることは知っていたが、確かに問題はいろいろある。ヒギンソンさんの言うように季語は大切だと思う。私自身はふだん季語がけっこう面倒だったりするが、資料の季語を使わない連句の例を読むと、やっぱりいまひとつつまらない。しかし外国の連句に日本の季語を当てはめるのも無理があるから、私は「現地の季節に対応する」というヒギンソンさんの案に1票!
恋の句と月の座の句は問題ないとして、花の座の句はその国を代表する花でいいと思う。日本を代表する花は桜だが、韓国は木槿のように、それぞれの国の人に思い入れのある花を花の座にしたらいいと思う。何もかも枠にいれて決めるのは好きじゃないけど。
講演資料には英訳もあった。こういう英語の句を日本語に訳すというのもやってみたいと思った。でも、句の作者が目の前にいないときっと細かいニュアンスは分からないんだろうな・・・。
当日の会場付け句で私の句が佳作に入った。
(仕事受けすぎまた間に合はず  クリス)
 今宵こそ月に吠えよと思ったが 聖きよみ.
しかし、前句がなぜ「間に合はず」なのかが気になる。なぜ歴史的仮名遣いなのか。国際連句協会の人に質問したら、今は俳諧から現代連句に移行する過渡期だからというような答えだった。しかしクリスさんの句はもとは英語だ。国際連句の場でまで、歴史的仮名遣いを使う必要があるのだろうか。
いろいろ考えさせられてシンポジュームだった。前日の連句もふくめ楽しかった。(今度はイリーナさんとも連句をしたい)これから言葉遊び的な感覚でいいから、外国でどんどん連句が楽しまれるといいと思う。









主催者である国士舘大学福田真久教授とヒギンソン
氏が代表して地球連句宣言朗読。

シンポジューム 福田コーディネーター・近藤正(通訳)・イオンコドレスク氏(ルーマニア)・ヒギンソン氏(アメ
リカ),許耀明氏(中国)藍(日本)
「地球連句の巻」「クロワッサンの巻」発表。
       終わりに    矢崎藍
一泊二日の東京旅行はまさにびっしりの連句研修でしたが、学生たちは連句にも
発表にもいきいきと活躍してくれました。多くの問題意識も芽生えたようで来年の卒
業論文が楽しみです。大会主催者としてのご多忙の中、前日に学生による国際連
句という貴重な体験の場を用意して歓待してくださった国士舘大学福田真久先生
、おつきあいいただいた学生の皆さん、ありがとうございました。いずれ詳細報告を
のせようと思っていまます
 
提言・藍
いいたいほうだいなんだよね、この狐
 
明子さんからメール(捌きコメントのついでに)
  「シンポジウム当日は、裏でせっせとお仕事でした。今後こういったイベントが行われるのでしたら、聴衆として参加したいです。」
(明子さん、大介さんは共にシンポジュームの裏方として「国士舘文学部」の腕章を巻いて活躍していました。たおへんお世話になりました!またよろしくー!  ゼミ一同)

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